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OpenClaw + Home Assistant:AIエージェントでスマートホームを「真に賢く」する

週末の朝7時、アラームが鳴ります。寝室の照明を少し明るくして、温度を快適な22度に上げ、カーテンを少し開けたい——でもベッドから出たくない。スマホを手に取り、いくつかのアプリを行き来して操作していたら、すっかり目が覚めてしまいました。

2026年にもなって、いわゆる「スマートホーム」がこれほどスマートじゃないなんて信じられません。しかし、OpenClawを試してからは変わりました。今ではスマホに向かって「起きたよ」と言うだけで、すべてが自動的に完了します。

この記事では、OpenClawがどのようにしてHome Assistantを「ギークのおもちゃ」から「真に使えるスマート執事」へと変貌させたのかをお話しします。

OpenClawとは? 実用的なAIアシスタント

OpenClawと初めて聞いた時、「またチャットボット?」と思ったかもしれません。正直、私も最初はそう思っていました。しかし2週間使ってみて、ChatGPTやClaudeのような単なるチャットツールとは全く別物だと気づきました。

例えるなら、OpenClawはHome Assistantの「通訳」兼「実行秘書」です:

  • 通訳:あなたの話す自然な言葉を、Home Assistantが理解できる指令に翻訳します。
  • 実行秘書:意図を理解するだけでなく、実際にタスクを実行します。

他のAIアシスタントとの違いは?

スマートスピーカー(Amazon Echo/Google Homeなど)と比較
これらは自社エコシステムのデバイスしか制御できません。Zigbeeデバイスなどを制御するには専用ゲートウェイが必要になることも。OpenClawはオープンで、連携の制約がありません。

Home Assistant標準のAssistと比較
HA標準の音声アシスタントは、手動で「意図(Intent)」を設定し、各指令のロジックをYAMLファイルに書く必要があります。OpenClawはLLM(大規模言語モデル)を直接使うため、理解力が段違いです。好きなように話しかければ理解してくれます。

純粋なクラウドAI(ChatGPTなど)と比較
ChatGPTに家の制御を頼んでも、コードを返すことしかできません。OpenClawはHome AssistantのAPIを直接叩いて操作を実行でき、しかも全データがローカルにあるためプライバシーも守られます。

OpenClawの4つのコア能力

1. ローカル実行、データは外に出ない
OpenClawはあなたのPCやサーバー(Mac/Windows/Linux)で動作し、すべての会話履歴や家の状態データはローカルDBに保存されます。あなたの家は、あなたが管理します。

2. 自然言語理解
「電気を消して」といった定型句を覚える必要はありません。「リビングを少し暗くして」「暑いな」「もう寝るよ」——どんな言い方でも理解します。

3. 文脈記憶
直前の会話を覚えています。例えば「寝室の温度は?」と聞いて「23度です」と返ってきた後、「20度にして」と言えば、それが寝室のことだと理解します。

4. 多デバイス連携
一言で複数のことができます。「映画が見たい」と言えば、照明を消し、カーテンを閉め、プロジェクターを起動し、音響を調整する——従来の自動化なら長いスクリプトが必要なことも、一瞬です。

実例:OpenClawが変えた私のスマートホーム体験

ケース1:起床モード——一言で一日をスタート

毎朝、私はOpenClawにこう言います。「おはよう、起きたよ。」

このシンプルな言葉の裏で、OpenClawは以下の処理を行います:

  1. 照明調整:寝室のライトを常夜灯モードから100%まで徐々に明るくする
  2. 温度調整:エアコンを22度に設定
  3. カーテン開閉:日光を取り入れる
  4. 天気予報:今日の服装のアドバイスをする
  5. 能動的提案:「今日9時から会議があります。20分前にリマインドしましょうか?」

従来ならHome Assistantでトリガーや条件判断、アクションを含む自動化スクリプトを書く必要がありました。OpenClawなら、一度話しかけるだけで、そのロジックを自動生成・実行してくれます。

技術的な仕組み

OpenClawはClawHubからインストールしたHome Assistant Skillを通じてHAインスタンスに接続します。

  • HAのREST APIを叩いてデバイスリストと状態を取得
  • 意図を理解し、適切なサービス呼び出し(service call)を生成
  • 実行結果を返し、エラーがあれば理由を説明

ケース2:外出モード——私より気が利く

ある日出かける前に「行ってきます、家のチェックお願い」と言いました。

すると返事は:「寝室の窓が開いたままです、閉めますか? あと、前回エアコンを消し忘れていましたが、今回は私が消しておきました。」

これには驚きました。戸締まりのチェックだけでなく、前回のミスを記憶していたのです。この「能動的なサービス」は従来の自動化では不可能です——LLMを持つOpenClawだからこそ、文脈に基づいた判断ができるのです。

ケース3:複雑なシーン——映画鑑賞は邪魔されたくない

私には特殊な要望がありました。「夜映画を見ている時に誰かがインターホンを鳴らしたら、再生を一時停止してリビングの電気をつけてほしい(暗闇で転ばないように)。でもチャイム音は鳴らさないで(子供が起きるから)。」

従来のHA自動化だと、これを実装するには複雑なYAMLが必要です。

OpenClawならこう言うだけです。「映画鑑賞中にインターホンが鳴ったら、一時停止して電気をつけて。チャイムは静音にして。」
するとAIは自動的にルールを作成し、さらに聞いてきます。「電気の明るさはどれくらいにしますか?スマホへの通知は必要ですか?」

なぜOpenClawが2026年のベストチョイスなのか?

AI Agent時代の到来

2026年、技術トレンドは「大規模モデル」から「AI Agent(自律エージェント)」へと移行しました。違いはなんでしょう?

  • チャットボット:話すだけ。実行できない。
  • AI Agent:タスクを理解し、手順を計画し、ツールを使って目標を達成できる。

OpenClawは典型的なAI Agentです。要望を理解するだけでなく、HA APIを叩き、Shellコマンドを実行し、ファイルシステムを操作し、ブラウザ操作さえ可能です。

ローカルAIが主流に

CES 2026では、M5Stackが完全オフラインの音声制御システムを展示しました。ローカルLLMで自然言語を理解し、ネット接続不要です。これはOpenClawの理念と一致します。

なぜローカルAIが重要なのか?

  • プライバシー:生活パターンや家族の情報をクラウドに上げたくない
  • 応答速度:ローカル処理なら遅延が少ない
  • 信頼性:ネットが切れても使える

OpenClawはOllamaなどを介してローカルLLM(Llama 3など)に接続でき、完全なイントラネット運用が可能です。

オープンエコシステム vs 閉じた庭

Xiaomi、Tuya、HomeKitなどは自社の庭(エコシステム)を囲い込んでいます。OpenClawはHome Assistantというオープンなプラットフォームに基づいており、Zigbee、Z-Wave、Matter、Threadなど2000以上のデバイスプロトコルに対応しています。

クイックスタート:30分でセットアップ

用意するもの

  1. PCまたはサーバー:Mac/Windows/Linux問わず。24時間稼働が望ましい(ラズパイでもOK)。
  2. Home Assistant環境:なければDockerですぐ立ち上げられます。
  3. 基本的なコマンド操作能力:コピペができれば十分です。

Step 1:OpenClawのインストール

公式サイトからOS対応のインストーラーをダウンロードしてインストールします。

起動後、AIモデルを選びます:

  • クラウドモデル:Claude, ChatGPT(API Keyが必要。応答は早いがプライバシーに注意)
  • ローカルモデル:Ollama + Llama 3(完全ローカル。相応のハードウェアが必要)

私のアドバイス:最初はクラウドモデルで試して、使用感を確めてからローカルモデルに切り替えるのがスムーズです。

Step 2:Home Assistant Skillのインストール

OpenClawのチャット画面でこう入力します:

Home Assistant Skillをインストールして

ClawHubから自動的にダウンロード・インストールされます。完了後、設定が必要です:

  1. Home Assistant URL:例 http://192.168.1.100:8123
  2. Long-Lived Access Token:HAの「プロフィール」画面で生成できます。

セキュリティ注意:このトークンは全権限を持っています!漏洩厳禁。OpenClaw専用のユーザーアカウントをHA側に作るのがベストプラクティスです。

Step 3:最初の会話

こう話しかけてみてください:

すべての照明デバイスをリストアップして

正しくリストが返ってくれば接続成功です!次は実際に動かしてみましょう:

リビングの電気をつけて

応用編

1. カスタムシーンの定義
「このシーンを覚えて:映画モード=リビング消灯、カーテン閉、プロジェクターON、音量50%」。次から「映画モード」と言うだけで実行されます。

2. 他スキルとの連携
「毎晩9時に電気を消すようリマインドして。もし私が消さなかったら自動で消して」。これは定期タスク+条件判断が必要ですが、OpenClawなら自動で構成してくれます。

3. 音声コントロール
Whisper(音声認識)とElevenLabs(音声合成)を統合すれば、完全な音声対話が実現します。

プライバシーとセキュリティ

データはどこにある?

すべての会話と状態データは、ローカルのSQLiteデータベース(~/.openclaw/data.db)に保存されます。いつでも確認・削除可能です。

安全性をどう確保する?

  1. 公网に晒さない:基本は宅内LANで。外部からはVPNやWireGuard経由でアクセスしましょう。
  2. 定期更新:脆弱性パッチは即時適用。
  3. ルールの確認:OpenClawが生成した自動化ルールは、適用前に一度確認を求められます。無条件で「はい」と言わないように。

未来:AI Agentは家の「頭脳」になる

スマートホーム分野では、以下のトレンドが見えています:

  • マルチエージェント協調:複数の専門AIエージェントが協力し、全体を統括する「執事AI」が調整する。
  • 身体性(Embodiment):掃除ロボットや人型ロボットとの深い統合。
  • 能動的サービス:言わなくても察して動く。

OpenClawはまさにこの方向に進んでいます。

もし試してみるなら…

Home Assistantユーザーの方、あるいはスマートホームに興味がある方は、ぜひOpenClawを試してみてください。

試用のコツ:

  1. クラウドモデルでテスト:ハードウェアの壁を一旦忘れて体験を優先。
  2. 単純な操作から:まずは電気のオンオフや温度確認から。
  3. 徐々に拡張:慣れてきたら複雑な自動化ルールへ。

最後に、OpenClawや他のAIスマートホーム構成を使っている方は、ぜひコメントで体験談や失敗談を教えてください。


参考資料

OpenClaw スマートホーム設定フロー

OpenClawをHome Assistantに接続し、AI制御を実現する手順

⏱️ Estimated time: 30 min

  1. 1

    Step1: 環境準備

    OpenClawを動かすPC/サーバーを用意。
    Home Assistantが稼働中であることを確認。
  2. 2

    Step2: コアインストール

    OpenClawをダウンロード・インストール。
    起動し、AIモデルを選択(テスト時はCloudモデル推奨)。
  3. 3

    Step3: HA接続

    チャットで"Home Assistant Skillをインストール"と入力。
    HAのURLと、プロフィール画面で生成した長期アクセストークンを入力。
  4. 4

    Step4: 制御テスト

    "すべての照明を表示"で取得確認。
    "リビングの電気をつけて"で制御確認。
  5. 5

    Step5: 高度な設定

    シーン定義(例:"映画モード")。
    自動化リマインダーや定期タスクの設定。

FAQ

どうやってHome Assistantに接続しますか?
OpenClawインストール後、対話形式でHA Skillをインストールします。その後、HAのURLと長期アクセストークン(HAのプロフィール設定で生成)を入力すれば接続完了です。
データは安全ですか?
はい、全ての会話と状態データはローカルのSQLiteデータベースに保存されます。外部からのアクセスは推奨せず、VPN経由での利用を推奨します。
音声操作はできますか?
可能です。Whisper(認識)やElevenLabs(合成)などのサービスと統合することで、声による操作(ハンズフリー)が実現します。
デバイスが見つからない場合は?
まずHA上のデバイスID(Entity ID)が正しいか確認してください。次にトークンの権限、そしてDockerコンテナ間のネットワーク通信(疎通)を確認してください。

5 min read · 公開日: 2026年2月5日 · 更新日: 2026年2月5日

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