無料からEnterpriseまで:Cloudflare 4つのプラン機能比較。いつアップグレードすべき?

はじめに
サイトのアクセスが増えてきて、「無料版のCloudflareで大丈夫かな?」「突然止められたりしないかな?」と不安になったことはありませんか? あるいは、月額20ドルのProプランを見て「これ、自分に必要なの?」と迷ったことは?
正直なところ、私も以前はそうでした。「20TBのトラフィックを無料版でさばいた」という猛者の話を聞くたびに、Cloudflareの太っ腹さに驚くと同時に、どこかに落とし穴があるのではないかと疑っていました。
公式サイトの説明も、「合理的な利用」といった曖昧な表現が多く、Pro版やBusiness版(月200ドル)の本当の価値が見えにくいのが現状です。
この記事では、Cloudflareの4つのプラン(Free, Pro, Business, Enterprise)を徹底解剖します。機能の違い、価格、そして「いつアップグレードすべきか」の明確な基準をお伝えします。これを読めば、無駄な出費を抑えつつ、必要なセキュリティとパフォーマンスを手に入れることができるはずです。
4つのプラン:核心機能比較表
全体像を把握するための比較表です。
| 機能 | Free (無料) | Pro ($20/月) | Business ($200/月) | Enterprise ($2000+Estimate) |
|---|---|---|---|---|
| WAFカスタムルール | 5個 | 20個 | 100個 | 1000個 |
| Page Rules | 3個 | 20個 | 50個 | 125個 |
| マネージド・ルール | 基本セット | OWASP完全版 | OWASP + α | 全て + 脅威インテリジェンス |
| Bot管理 | 簡易版 | 簡易版 | 高度 (Super Bot Fight Mode) | 企業向けBot管理 |
| DDoS保護 | 標準・無制限 | 標準・無制限 | 高度・無制限 | 企業級 + SLA |
| 画像最適化 | × | ○ (Lossless等) | ○ | ○ |
| 中国内ノード | × | × | × | ○ (要ICP登録) |
| サポート | コミュニティ | メール(遅い) | 優先メール | 24/7 電話/チャット + 専任 |
無料版の真実:本当に「無制限」なのか?
結論から言うと、Cloudflare無料版に明確なトラフィック量の上限はありません。
しかし、これには条件があります。「CloudflareをCDN/セキュリティとして使い、純粋なファイルストレージや動画配信サーバーとして使わないこと」です。利用規約では「HTMLコンテンツがリクエストの主体であるべき」と示唆されています。
実際に、月間20TB以上のトラフィックがあるフォーラムサイトが無料版で何年も運用されている例があります。Cloudflareは「帯域」で課金するモデルではないため、通常のWebサイト運用であれば、どれだけバズっても請求が来ることはありません。
"Cloudflareはかつて、秒間2600万リクエストという史上最大級のDDoS攻撃から、無料プランの顧客を守り抜きました。普通なら破産するレベルの防衛コストを、彼らは無料で提供したのです。"
アカウント停止のリスクがあるケース:
- 動画配信サイトや大容量ファイル配布サイトとして利用(HTMLリクエスト比率が極端に低い)
- 明らかに悪意のある利用(フィッシング詐欺など)
- 100TBを超えるような極端なトラフィック(Enterpriseへのアップグレードを打診される可能性があります)
Pro版($20/月):誰が買うべきか?
月額20ドル(約3000円)は、個人開発者にとっては安くありません。では、Pro版の価値はどこにあるのでしょうか?
多くの人が「画像最適化(Polish/Mirage)」に目を行きがちですが、Pro版の真の価値は**「ルール数の拡張」**にあります。
WAFルールとPage Rulesの壁
無料版のWAFルールは5個、Page Rulesは3個です。これらはすぐに枯渇します。
- 「特定国からのアクセスをブロックしたい」
- 「APIエンドポイントのレート制限をかけたい」
- 「ログインページを保護したい」
- 「特定のパスだけキャッシュ設定を変えたい」
これらを実装しようとすると、無料版の枠ではパズルを解くような工夫が必要になります。Pro版ならWAF 20個、Page Rules 20個使えるため、余裕を持ってセキュリティとキャッシュ戦略を構築できます。
OWASPルールセット
Pro版から使えるOWASP ModSecurity Core Rule Setは、SQLインジェクションやXSSなどの一般的な脆弱性攻撃を強力にブロックします。WordPressなどのCMSを使っている場合、これを入れるだけで安心感が段違いです。
Business版($200/月):価格10倍の理由
$20からいきなり$200に跳ね上がります。これは個人向けではなく、収益を生んでいるビジネス向けのプランです。
最大の差別化要因は**「Bot管理」**です。
高度なBot対策(Super Bot Fight Mode)
無料・Pro版のBot対策は、既知のBot署名や単純なIP判定に頼っています。しかし、Business版では機械学習を用いた振る舞い検知が可能になります。
- ECサイトの価格スクレイピング防止
- チケットサイトの転売Bot排除
- 競合他社によるデータ収集のブロック
これらの「ビジネスに損害を与えるBot」を防ぐには、Business版が必要です。
Enterprise版:カスタマイズの極み
価格は要見積もり(月額$2000〜$5000以上)です。大企業向けです。
特筆すべきは中国国内ノードの利用です。通常、Cloudflareの無料〜Business版は、中国からのアクセスを海外ノードにルーティングするため遅延が発生します。Enterprise版契約者は(ICP登録などの条件を満たせば)中国本土のノードを利用でき、爆速になります。
また、SLA(稼働率保証)や専任のカスタマーサクセスが付くのもこのプランだけです。
アップグレード判定ガイド:5つのチェックポイント
迷っているなら、以下の基準で判断してください。
- WAF/Page Rulesが足りない?
- WAFルールを5つ使い切り、さらにセキュリティ設定が必要 → Proへ
- ページルールが3つではキャッシュ制御しきれない → Proへ
- Bot被害が出ている?
- スクレイピングでサーバー負荷が高い、在庫が抜かれる → Businessへ
- Google Botなどは通したいが、悪質Botだけ弾きたい → Pro以上 (Business推奨)
- 中国でのパフォーマンスが生命線?
- 中国本土のユーザー高速化が必須 → Enterpriseへ
- SLA(保証)が必要?
- ダウンタイムが許されない金融・医療系 → Enterpriseへ
- 収益とのバランス
- サイト収益が月$500以上ある → Pro ($20) は安い投資
- サイト収益が月$5000以上ある → Business ($200) も検討圏内
- まだ収益化していない → Freeで粘る(工夫次第でなんとかなります)
節約テクニックと誤解
- 誤解1:無料版は遅い
- CDNの基本性能はPro版とほぼ変わりません。無理にアップグレードしても速度が劇的に変わるわけではありません。
- 誤解2:全ドメインをアップグレードする必要がある
- Cloudflareはドメイン単位の課金です。メインの収益サイトだけProにし、ブログやテストサイトはFreeのままでOKです。
- テクニック:Workersを活用してルールを節約
- Page Rulesでリダイレクトを設定すると枠を消費しますが、Cloudflare Workers(無料枠あり)でリダイレクトを書けば、Page Ruleを節約できます。
- 簡単なヘッダー操作もWorkersで可能です。
まとめ
- Free: 個人の趣味、ブログ、スタートアップ初期。99%の人はこれで十分。
- Pro: 月$20払える余裕があり、WAF/Page Rulesの制限から解放されたい、OWASPルールで守りたい人。
- Business: ECサイトやSaaSなど、Bot被害が直接売上に響くビジネス。
- Enterprise: 中国展開する大企業、またはSLA必須の組織。
まずは無料版を徹底的に使い倒しましょう。「ルールが足りない」と悲鳴を上げる時が、アップグレードの合図です。
FAQ
無料版でトラフィックが増えすぎるとBANされますか?
Pro版にするとサイトは速くなりますか?
一度アップグレードしたら、ダウングレードできますか?
複数のサイトを持っていますが、1つのPro契約で共有できますか?
4 min read · 公開日: 2025年12月1日 · 更新日: 2026年1月22日
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