Ollama モデル管理:ダウンロード、切り替え、削除とバージョン管理の完全ガイド
Ollama を使い始めたころ、モデルファイルがこんなに大きいとは気づきませんでした。
ある日 SSD の空き容量が警告を出したとき、~/.ollama を開いてみると——40GB 以上。使わないモデルばかり。どう削除する?バージョンはどう切り替える?また同じ轍を踏まないには?
この記事は、そのときの失敗からまとめたものです。Ollama のモデル管理コマンドを、ダウンロード、切り替え、削除、そしてバージョン管理のベストプラクティスまで順に説明します。読み終える頃には、ローカル LLM ライブラリを落ち着いて管理でき、ディスク容量に驚かされることも少なくなるはずです。
主要コマンド早見表
まず一覧表を置いておきます。後半で各コマンドを詳しく説明します。
| コマンド | 用途 | 例 |
|---|---|---|
ollama pull | モデルをダウンロード(バージョン指定可) | ollama pull llama3.2:latest |
ollama run | モデルを実行 | ollama run llama3.2 |
ollama list | ローカルモデル一覧 | ollama list |
ollama ps | 実行中のモデル一覧 | ollama ps |
ollama stop | 実行中のモデルを停止 | ollama stop llama3.2 |
ollama rm | モデルを削除 | ollama rm llama3.2 |
ollama show | モデルの詳細情報 | ollama show llama3.2 |
ollama create | カスタムモデルを作成 | ollama create mymodel -f Modelfile |
ollama serve | API サービスを起動 | ollama serve |
日常管理の 9 割はこの表でカバーできます。コマンドを覚え、あとは組み合わせるだけです。
モデルのダウンロード:バージョン選びが重要
指定バージョンをダウンロード
ollama pull でモデルを取得します。見落としがちなのがバージョンタグです。
# 最新版をダウンロード
ollama pull llama3.2:latest
# 特定のパラメータ規模
ollama pull llama3.1:70b
# 特定の量子化版
ollama pull mistral:7b-q4_K_M
タグの意味は次のとおりです。
latest:デフォルトタグ。最新の安定版7b、70b:パラメータ規模。数字が大きいほど性能は上がるが、リソースも多く必要q4_K_M、q3_K_L:量子化レベル。数字が小さいほどファイルは軽いが、精度はやや下がる
ひとことで言えば、ハードウェアに合わせてバージョンを選ぶことです。
ハードウェア要件一覧
盲目的にダウンロードせず、まず自分の環境と照らし合わせてください。
| モデル規模 | パラメータ数 | ファイルサイズ | 最低 RAM | 推奨 RAM | VRAM 目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小型 | 1〜3B | 1〜2GB | 4GB | 8GB | 2〜4GB |
| 中型 | 7〜8B | 4〜5GB | 8GB | 16GB | 6〜8GB |
| 大型 | 13〜14B | 7〜8GB | 16GB | 32GB | 10〜12GB |
| 超大型 | 70B | 40GB 以上 | 32GB | 64GB 以上 | 24GB 以上 |
経験上、RAM 8GB のマシンで 7B モデルは動きますが遅いです。16GB あると快適になります。70B モデルは——正直、家庭用 PC ではほぼ無理。デュアル RTX 4090 クラスでないと厳しいでしょう。
一括ダウンロードスクリプト
複数モデルを入れるなら、1 本ずつ手打ちするよりスクリプトが楽です。
#!/bin/bash
# download_models.sh
MODELS=(
"llama3.2:latest"
"mistral:7b"
"qwen2:7b"
"deepseek-r1:7b"
)
for model in "${MODELS[@]}"; do
echo "ダウンロード中: $model"
ollama pull "$model"
echo "---"
done
echo "すべてのモデルのダウンロードが完了しました!"
download_models.sh として保存し、実行します。
chmod +x download_models.sh
./download_models.sh
必要なモデルをまとめて取得できます。
モデルの切り替え:GPU を空転させない
ローカルモデル一覧の確認
ダウンロード後、まず手元に何があるか確認しましょう。
ollama list
出力例:
NAME ID SIZE MODIFIED
llama3.2:latest a80c4f17acd5 2.0GB 2 days ago
mistral:7b f974a74358d6 4.1GB 5 days ago
qwen2:7b d53d04290064 2.3GB 10 days ago
各列の意味は次のとおりです。
- NAME:モデル名とタグ
- ID:一意の識別子(削除時に使うこともある)
- SIZE:ファイルサイズ。容量を食っているモデルが一目でわかる
- MODIFIED:最終更新日時。古いモデルの判断材料になる
ここまで見れば、よく使うモデルと削除候補が見えてきます。
指定モデルの実行
切り替えは ollama run だけです。
# 基本実行
ollama run llama3.2
# GPU アクセラレーション付き
ollama run llama3.2 --gpu
# 詳細モード(読み込み時間を確認)
ollama run llama3.2 --verbose
補足:未ダウンロードのモデルを run すると、自動で pull されます。事前に pull しなくても run だけで動かせます。
ただし落とし穴があります。起動したモデルは stop するまで GPU/CPU を占有し続けます。切り替える前に、前のモデルを止めましょう。
実行中モデルの停止
まず動いているモデルを確認します。
ollama ps
出力例:
NAME ID SIZE PROCESSOR UNTIL
llama3.2 a80c4f17acd5 2.0GB 100% GPU 4 minutes from now
実行中があれば停止します。
ollama stop llama3.2
GPU のリソースが空き、次のモデルに切り替えられます。
以前は stop を忘れて、PC がだんだん重くなることがよくありました。切り替え前に ps → stop を習慣にすると楽です。
モデルの削除:ディスク容量確保の要
単一モデルの削除
いよいよ本題——モデルの削除です。
ollama rm llama3.2
出力:
deleted 'llama3.2'
シンプルです。注意点は削除前にモデル名を確認すること。誤削除を防ぐため、先に ollama list を見ておきましょう。
削除後、ファイルがすぐ消えるわけではありません。クリーンアップに数分かかることもあります。
一括削除スクリプト(ホワイトリスト付き)
モデルが増えすぎたが、常用モデルは残したい——そんなとき用のスクリプトです。
#!/bin/bash
# cleanup_models.sh
# ホワイトリスト:削除しないモデル
KEEP=(
"llama3.2:latest"
"mistral:7b"
)
# 全モデルを取得
ALL_MODELS=$(ollama list | tail -n +2 | awk '{print $1}')
for model in $ALL_MODELS; do
# ホワイトリストに含まれるか確認
keep=false
for keeper in "${KEEP[@]}"; do
if [ "$model" == "$keeper" ]; then
keep=true
break
fi
done
# ホワイトリスト外は削除
if [ "$keep" = false ]; then
echo "削除: $model"
ollama rm "$model"
else
echo "保持: $model"
fi
done
echo "クリーンアップ完了!"
全モデルを列挙し、ホワイトリストにないものだけ削除します。KEEP 配列に常用モデルを書き換えて使ってください。
モデル保存パスの管理
削除しても容量が足りない場合、保存先の設定が原因かもしれません。
デフォルトの保存先:
- Windows:
C:\Users\<ユーザー名>\.ollama\models - Linux/macOS:
~/.ollama/models
システムドライブの空きが足りない場合は、別ドライブへ移せます。環境変数 OLLAMA_MODELS を設定します。
# Linux/macOS
export OLLAMA_MODELS=/path/to/your/models
# Windows(PowerShell)
$env:OLLAMA_MODELS="D:\ollama\models"
設定後、新規ダウンロードは新しいパスに保存されます。既存モデルは旧パスに残るため、手動で移動が必要です。
最初から保存先を決めておくのがおすすめです。容量が逼迫してから移行すると手間もミスも増えます。
バージョン管理:混乱を防ぐ戦略
バージョン混乱の典型例
こんな一覧、見覚えはありませんか?
llama3.1:latest
llama3.1:8b
llama3.2:latest
llama3.2:1b
llama3.2:3b
バージョンが積み上がり、どれが本番用で、どれがテスト用で、どれを消していいのかわからなくなります。
混乱を避ける 3 つのコツ
-
タグで用途を分ける
latest:日常利用のメインバージョンtest、dev:検証用バージョン- パラメータ規模の違う版を大量に入れず、1 つに絞る
-
定期的に整理する
- 週 1 回
ollama listで余分なモデルを確認 - 前掲のクリーンアップスクリプトでライブラリをスリムに保つ
- 週 1 回
-
名前は意味のあるものに
- カスタムモデルは用途がわかる名前に
- 例:
myproject-llama3.2。mymodel1、mymodel2のような名前は避ける
モデルの更新(差分ダウンロード)
新しい版が出たら、もう一度 pull するだけです。
ollama pull llama3.2:latest
Ollama は差分だけを取得するため、ファイル全体を再ダウンロードする必要はありません。帯域を気にせず更新できます。
カスタムモデルバリアント
temperature の調整やシステムプロンプトの追加など、パラメータを変えたい場合は Modelfile を使います。
# Modelfile を作成
FROM llama3.2
PARAMETER temperature 0.7
SYSTEM """あなたはプロの技術アシスタントです。簡潔な言葉で質問に答えてください。"""
# カスタムモデルを作成
ollama create my-tech-assistant -f Modelfile
# 実行
ollama run my-tech-assistant
専用バージョンが 1 つできます。不要になったら ollama rm で削除してください。
よくある問題と対処法
ダウンロードが 99% で止まる
最後の 1% で進まなくなる——これも経験あります。
原因はだいたいネットワーク中断です。対処:
# Ctrl+C でダウンロードをキャンセル
# 再度 pull
ollama pull llama3.2
進捗は保持されるため、最初からやり直す必要はありません。多くは 2 回目で成功します。
削除後も容量が増えない
モデルを消したのに df -h では空きが変わらない。
考えられる原因:
- クリーンアップがまだ終わっていない——数分待つ
- 残留ファイルがある——パスを手動確認
手動確認:
# モデルディレクトリのサイズを確認
du -sh ~/.ollama/models
# まだ大きい場合は中身を確認
ls -lh ~/.ollama/models/blobs/
残留ファイルを見つけたら手動で削除します。
モデル切り替えに失敗する
ollama run がエラーになる場合:
- リソース不足:RAM または VRAM が足りない
- 設定ミス:Modelfile に問題がある
対処:
- 先に
ollama psで他モデルがリソースを占有していないか確認 --verboseで詳細なエラーを確認- カスタムモデルなら Modelfile の構文をチェック
まとめ
結局のところ、やることはダウンロード、切り替え、削除の 3 つです。これらのコマンドに加え、バージョンを乱暴に増やさない計画を少しだけ持てば、ローカル LLM ライブラリはすっきり保てます。
OpenClaw ユーザーなら、モデル管理はさらに重要です。OpenClaw は Ollama に依存しており、モデルバージョンがそのままアプリ体験に効きます。定期的にライブラリを見直し、使わないモデルは削除してスリムに保ちましょう。
困ったら早見表を見るか、該当セクションに戻ってください。この記事が、いくつかの落とし穴を避ける助けになれば幸いです。
FAQ
ダウンロード済みのモデルをすべて確認するには?
モデルを削除してもディスク容量がすぐ増えない場合は?
• du -sh ~/.ollama/models でディレクトリサイズを確認
• blobs ディレクトリに入り、残留ファイルを探す
• 残っているモデルファイルを手動で削除
バージョンを増やしすぎて混乱しないには?
ダウンロードが 99% で止まったときの対処法は?
70B モデルは家庭用 PC で動かせる?
ローカルの全モデルを一括更新するには?
ollama list | tail -n +2 | awk '{print $1}' | while read model; do
ollama pull "$model"
done
Ollama は差分だけをダウンロードするため、更新は高速です。このスクリプトを定期的に実行し、モデルライブラリを最新に保ちましょう。
5分で読めます · 公開日: 2026年4月2日 · 更新日: 2026年7月9日
Ollama シリーズ: ローカル LLM の導入、設定、アプリケーション実戦
検索からこのページに来た場合は、前後の記事もあわせて読むと同じテーマの理解がかなり早く深まります。
前の記事
Ollama 入門:ローカルで大規模言語モデルを動かす第一歩
自分の PC で大規模言語モデルを動かしたいですか?本ガイドでは Ollama のインストールと設定をゼロから丁寧に解説し、マルチプラットフォーム対応、モデル管理、GPU 加速、API 連携まで網羅します
第 1 / 19 記事
次の記事
Ollama バージョンロールバック実践:90% の開発者が見落とす 3 つの重要ステップ
Ollama をアップグレードしたらシステムが不安定に?本記事では 3 つの完全なバージョンロールバック方法(バイナリ置換、パッケージマネージャ、Docker)、ワンクリック自動化スクリプト、マルチバージョン共存の実践ガイドを紹介し、バージョン管理の課題を素早く解決します。
第 3 / 19 記事



コメント
GitHubアカウントでログインしてコメントできます