言語を切り替える
テーマを切り替える

CF Pages のビルド失敗?よくある 8 パターンと解決策で半日分のデバッグを節約

Cloudflare Pages のビルドログに、赤い「Failed」。今夜 5 回目の失敗で、明日の朝にはクライアントへのデモがあります。500 行近いログに npm ERR! が溢れ、どの行から見ればよいか分かりません。ネットの対処法を試しても効かないもの、状況を悪化させるものもありました。

CF Pages のビルド失敗の多くは、環境差・依存関係の設定・バージョン互換の 3 類型に収まります。この規則を押さえれば、90% は 10 分以内に解決できます。本記事では Pages のビルド環境を整理し、よくある 8 つの失敗シナリオ(実際のエラーと手順付き)と予防的な設定をまとめます。読み終えれば、切り分けの筋道がはっきりするはずです。

第 1 部:Cloudflare Pages のビルド環境を理解する

Pages ビルド環境の特殊性

具体的な問題に入る前に、一点だけ押さえてください。Cloudflare Pages のビルド環境は、ローカル開発環境と本質的に異なります。Pages のデプロイエラーは、コードの誤りではなく環境の違いであることが多いのです。

デフォルト設定は次のとおりです

Ubuntu 22
OS
Build System V2 で使用
18.17.1
Node バージョン
デフォルトはやや古く、新パッケージと非互換のことがある
20分
ビルドタイムアウト
超過で強制終了
10MB
Worker サイズ上限
Functions バンドル後の制限
  • OS:Ubuntu(Build System V2 は Ubuntu 22)
  • Node バージョン:18.17.1(意外と古い)
  • パッケージマネージャー:デフォルトは npm install ではなく npm clean-install
  • ビルドタイムアウト:20 分のハードリミット
  • Worker サイズ:10MB 上限

Node が古いのはなぜか — Cloudflare は安定性を優先しています。一方で多くの新パッケージは Node >= 18.18.0 や >= 20.0.0 を要求し、バージョン衝突が起きます。

ローカルとの 3 つの重要な差

  1. ファイルシステムの大文字小文字:Windows や Mac では import Header from './header' と書いてファイル名が Header.js でも動くことがあります。Linux では厳密に一致が必要です。見落としやすい落とし穴です。
  2. ネットワーク:ローカルでは npm ミラー(淘宝源など)を使っていることがありますが、Pages は公式 npm に直結し、タイムアウトすることがあります。
  3. デフォルトビルドコマンド:Cloudflare は build command の前に npm clean-install --progress=false を自動実行します。npm install より厳格で、package-lock.json と package.json がずれるとエラーになります。

問題を素早く切り分ける方法

環境の違いが分かったら、デプロイエラー時に真因をどう見つけるか。

ステップ 1:ビルドログを読む

ログは数百行になりますが、次の箇所だけ見れば十分です:

# 最後の ERR! または ERROR を探す
npm ERR! code ERESOLVE
npm ERR! ERESOLVE could not resolve
# Vite/Webpack のエラー
[vite]: Rollup failed to resolve import
# Git 関連
fatal: unable to access repository

「ERR!」(感嘆符込み)で検索し、3〜5 行上を読むと原因にたどり着くことが多いです。インストール出力の前半に惑わされないでください。

ステップ 2:Deployment ID を保存する

ビルド失敗のたびに一意の Deployment ID が付きます。ブラウザのアドレスバー例:

https://dash.cloudflare.com/xxx/pages/view/your-project/a398d794-7322-4c97-96d9-40b5140a8d9b
                                                          ↑ Deployment ID

Cloudflare サポートやコミュニティで助けを求めるとき、この ID があればビルド記録を特定できます。

ステップ 3:ローカルで再現する

多くの人が飛ばすステップです。Linux 環境で再現してみてください:

# 方法 1:Docker で Ubuntu 22 を模擬
docker run -it ubuntu:22.04 bash
# 方法 2:Pages と同じ npm ci
npm ci
# 方法 3:nvm で Node を指定
nvm use 18.17.1

ローカルで npm ci が失敗すれば依存関係の問題。Node 18.17.1 で落ちればバージョン互換の問題です。

第 2 部:よくある 8 つのビルド失敗と解決策

問題 1:依存関係のインストール失敗(npm install エラー)

典型的なエラー

npm ERR! code ERESOLVE
npm ERR! ERESOLVE could not resolve
npm ERR! Fix the upstream dependency conflict, or retry this command
npm ERR! with --force or --legacy-peer-deps
または
npm ERR! code ERR_SOCKET_TIMEOUT
npm ERR! network Socket timeout

いちばん多いパターンです。ローカルでは npm install が通るのに Pages で ERESOLVE — 理由は Cloudflare がデフォルトで npm ci を使うためです。

原因

  1. npm clean-install は peer dependency を自動解決しない
  2. package-lock.json と package.json の不整合
  3. ネットワークタイムアウト(公式 npm に届かない)

解決策(おすすめ順)

方案 1:デフォルトインストールをスキップし、コマンドをカスタム

# Pages 設定で環境変数を追加
SKIP_DEPENDENCY_INSTALL=true
# Build command を変更
npm install --legacy-peer-deps && npm run build

いちばん直接的です。デフォルトのインストールは使わず、自分で依存関係を管理します。

方案 2:package-lock.json を修正

rm package-lock.json
npm install
git add package-lock.json
git commit -m "fix: regenerate package-lock.json"
git push

lock が壊れているだけのこともあります。再生成で直ることがあります。

方案 3:GitHub Actions でビルドを引き受ける

上記 2 つでダメなら、GitHub Actions + cloudflare/pages-action でビルド環境を完全にコントロールします。

# .github/workflows/deploy.yml
- name: Install dependencies
  run: npm install --force
- name: Build
  run: npm run build
- name: Deploy to Cloudflare Pages
  uses: cloudflare/pages-action@v1

予防:ローカルで定期的に npm ci を実行し、lock が同期していることを確認してください。

問題 2:Node バージョン非互換

典型的なエラー

ERR_PNPM_UNSUPPORTED_ENGINE Unsupported environment
This package requires Node.js version ^18.18.0 or >=20.0.0
または
The engine "node" is incompatible with this module.
Expected version ">=18.18.0". Got "18.17.1"

このエラーはほぼ Node が古すぎるサインです。TypeScript ESLint や Next.js 14+ は Node >= 18.18.0 を要求しますが、Pages デフォルトは 18.17.1 です。

解決策(いずれか 1 つで可)

方案 1:環境変数(最推奨)

Cloudflare Pages の Settings > Environment variables に追加:

変数名: NODE_VERSION
値: 20.11.0

公式推奨のシンプルな方法です。

方案 2:.node-version ファイル

プロジェクトルートに作成:

echo "20.11.0" > .node-version
git add .node-version
git commit -m "chore: specify Node version for Cloudflare Pages"

方案 3:.nvmrc ファイル

ファイル名だけ異なり、内容は同様です:

echo "20.11.0" > .nvmrc

ベストプラクティス:環境変数と .node-version の両方を使い、ローカルと本番を揃えましょう。バージョンは最新より LTS(20.11.0 など)が無難です。

問題 3:ビルドタイムアウト(20 分超過)

典型的な症状

ログがちょうど 20 分で止まり、明確なエラーはなく次の 1 行だけ:

Build exceeded maximum time of 20 minutes

情報がほぼなく、イライラしやすいパターンです。大規模プロジェクトや依存が多いときに起きがちです。

原因

  • 依存が多く npm install だけで 15 分かかる
  • ビルドスクリプトの重複処理(毎回サイト全体を再生成など)
  • ビルドキャッシュを活かしていない

解決策

方案 1:ビルドキャッシュをクリア

キャッシュが逆に邪魔になることもあります。Pages 設定で:

Settings > Builds & deployments > Clear build cache

クリア後に再ビルドで直った経験は何度もあります。

方案 2:依存を分析・最適化

bundle analyzer で巨大な依存を特定:

npm install --save-dev @next/bundle-analyzer
const withBundleAnalyzer = require('@next/bundle-analyzer')({
  enabled: process.env.ANALYZE === 'true',
})
module.exports = withBundleAnalyzer({ /* 設定 */ })

ANALYZE=true npm run build を 1 回実行。moment.js 丸ごと import を day.js に替えてビルドが 3 分短縮した例もあります。

方案 3:一部タスクを CI に移す

typecheck や lint を GitHub Actions に移し、Pages はビルドのみ:

{
  "scripts": {
    "build": "next build",
    "build:full": "npm run typecheck && npm run lint && npm run build"
  }
}

方案 4:pnpm を使う

依存インストールが npm より速いことが多いです。Pages で:

Build command: pnpm install && pnpm run build

問題 4:モジュール解決エラー(Module not found)

典型的なエラー

Module not found: Error: Can't resolve './App' in '/opt/buildhome/repo/src'
Did you mean 'App.js'?
または
[vite]: Rollup failed to resolve import '/src/components/Snackbar'
from '/opt/buildhome/repo/src/pages/Login.jsx'

非常に紛らわしいエラーです。ローカルでは動くのに Pages でモジュールが見つからない — 99% は大文字小文字です。

原因

Linux は大文字小文字を厳密に区別し、Windows と macOS はデフォルトで区別しません。import App from './app' でファイルが App.js だと、Windows では通っても Linux ではエラーになります。

解決策

方案 1:import パスをすべて修正

根本的な対処です。すべての import でファイル名と完全一致させます:

// ❌ 誤り
import Header from './header';  // ファイル名は Header.jsx
// ✅ 正しい
import Header from './Header';

手作業は大変なので、ESLint で自動検出を推奨します:

module.exports = {
  rules: {
    'import/no-unresolved': 'error',
  }
}

方案 2:パスエイリアス

絶対パスやエイリアスでミスを減らせます:

export default {
  resolve: {
    alias: {
      '@': '/src',
      '@components': '/src/components'
    }
  }
}
import Header from '@components/Header';

方案 3:コミュニティの「おまじない」

フォルダ名を一度別名にリネームしてコミットし、元に戻してコミットすると直る、という報告があります。キャッシュの可能性。他がダメなら試す価値はあります。

問題 5:環境変数の設定ミス

典型的な症状

console.log(process.env.API_KEY); // undefined

またはビルド時に環境変数が見つからないエラー。

原因

ビルド時とランタイムの環境変数を混同していることが多いです。フレームワークごとに命名規則も異なります。

押さえること

Cloudflare Pages の環境変数は 2 種類です:

  1. ビルド時変数npm run build で使え、コードにコンパイルされる
  2. ランタイム変数:Functions(エッジ関数)でのみ利用可能

静的サイト(純 HTML/JS)ではランタイム変数は使えず、ビルド時変数のみです。

解決策

方案 1:変数の種類を正しく設定

Pages 設定で変数を追加するとき:

  • 「Production」「Preview」の環境を選択
  • ビルド時に必要なら「Build」に必ずチェック

方案 2:フレームワークの命名規則

# Vite:VITE_ で始める
VITE_API_KEY=xxx
# Next.js 公開変数:NEXT_PUBLIC_
NEXT_PUBLIC_API_KEY=xxx
# Nuxt:nuxt.config.js の runtimeConfig

方案 3:機密情報は Secret 型

Pages には Text(値が見える)と Secret(暗号化)があります。API キーや DB パスワードは Secret を使ってください。

ベストプラクティス

  1. ローカルは .env.local.gitignore に追加)
  2. 本番は Pages の環境変数
  3. Preview はテスト API、Production は本番 API と環境ごとに分ける

問題 6:Git 連携の問題

典型的な症状

  • リポジトリへのアクセスを認可できない
  • 「This repository is already in use by another Pages project」
  • Push しても Pages が自動ビルドしない

原因

GitHub/GitLab の認可問題、または Cloudflare の制限(同一リポジトリを複数アカウントで使えない)が多いです。

解決策

方案 1:GitHub App を再認可

GitHub の Settings > Applications > Cloudflare Pages > Configure > Uninstall のあと、Cloudflare Dashboard でリポジトリを再接続すると再認可が走ります。

方案 2:リポジトリの使用状況を確認

「既に使用中」なら、複数の Cloudflare アカウントで同じリポを使っていないか確認してください。他アカウントの Pages プロジェクトを削除する必要があります。

方案 3:GitHub の権限

連携にはリポジトリで Maintainer 以上が必要です。Contributor だけでは接続できません。

方案 4:特殊文字を避ける

コミットメッセージに絵文字や特殊文字を入れると、ビルドトリガーが失敗することがあります。GitHub は許可しても Cloudflare が正しく解釈しない場合があります。

既知の制限:フォークしたリポジトリの PR ではプレビューデプロイが走りません。将来対応予定ですが、現時点では未対応です。

問題 7:Functions のデプロイ失敗

典型的な症状

ビルドは成功するが最終デプロイで失敗し、ログに有用な情報が少ない。または:

Build failed: Functions bundle size exceeding limit

原因

  • Worker バンドルが 10MB を超過
  • Functions の Bindings(KV、D1、R2)の誤設定
  • エッジで使えない Node.js 専用 API の使用

解決策

方案 1:Functions バンドルサイズを分析

bundle analyzer で何が大きいか確認。tree-shaking されずライブラリ全体が入っていることが多いです。

方案 2:Astro/SvelteKit の adapter 設定

import cloudflare from '@astrojs/cloudflare';
export default {
  output: 'hybrid',
  adapter: cloudflare({
    mode: 'directory',
  }),
};

Astro はデフォルトでプリレンダー済みページも Functions に入り、サイズが膨らむことがあります。mode: 'directory' で改善できます。

方案 3:Bindings の確認

Settings > Functions > Bindings

コードで使う KV、D1、R2 が正しく紐づいているか確認してください。

方案 4:Node.js 専用 API を避ける

Workers は V8 環境で、完全な Node.js ではありません。使えない例:

  • fs
  • path(一部非対応)
  • child_process
  • net / httpfetch を使う)

必要ならビルド時に処理する設計に切り替えてください。

問題 8:キャッシュとカスタムドメインの問題

典型的な症状

  • デプロイ成功だがサイトが古い内容のまま
  • カスタムドメインは 404、.pages.dev は正常
  • トップが 404 Not Found

原因

  • Page Rules が Pages のキャッシュと干渉
  • カスタムドメインの DNS 誤設定
  • index.html がない

解決策

方案 1:Cache Everything の Page Rule を削除

カスタムドメインが Proxied(オレンジの雲)なら Zone 設定が Pages に影響します。Rules > Page Rules で「Cache Everything」があれば削除。Pages には独自のキャッシュがあり、Page Rule は不要です。

方案 2:カスタムドメインを DNS Only に

効かない場合、DNS レコードを灰色の雲(DNS Only)に変更し、プロキシをバイパスして Pages に直結させてみてください。

方案 3:index.html の存在を確認

yourdomain.com/ が 404 なら、ビルド出力に index.html があるか確認。多くのフレームワークは dist/index.html など — Pages の「Build output directory」が正しいかも見てください。

方案 4:キャッシュを手動パージ

Caching > Configuration > Purge Everything

Zone 全体のキャッシュが消えるので、慎重に使ってください。

第 3 部:予防のベストプラクティス

ビルド設定のベストプラクティス

問題が出てから直すより、最初から整えておく方が楽です。

1. Node バージョンを明示

デフォルトに頼らず、明示的に指定:

# .node-version
20.11.0
# Pages の環境変数でも
NODE_VERSION=20.11.0

2. ブランチごとにビルドコマンドを分ける

CF_PAGES_BRANCH を利用:

{
  "scripts": {
    "build": "node scripts/build.js",
    "build:production": "next build",
    "build:preview": "next build && next export"
  }
}
const branch = process.env.CF_PAGES_BRANCH || 'main';
const command = branch === 'main' ? 'build:production' : 'build:preview';

3. monorepo ではルートディレクトリを指定

pnpm workspace や Turborepo では Pages で Root directory を指定:

Root directory: apps/web
Build command: pnpm run build

継続的な監視とデバッグ

1. ローカルデバッグ環境

Docker で Pages 環境を模擬:

FROM ubuntu:22.04
RUN apt-get update && apt-get install -y nodejs npm
RUN node -v
WORKDIR /app
COPY package*.json ./
RUN npm ci
COPY . .
RUN npm run build

2. Cloudflare Status を確認

奇妙なエラー時はまず https://www.cloudflarestatus.com/ を確認。Pages 側の障害なら待つのが正解です。

3. いつ Cloudflare サポートに連絡するか

すべて試してもダメ、プラットフォームのバグを疑う、ビルド制限の引き上げ(有料プラン)が必要 — そのときは Deployment ID と詳細ログを添えて連絡してください。

まとめ

CF Pages のビルド失敗は、大きく分けて数類型に収まります。90% は環境差(Node バージョン、ファイル名の大文字小文字)、依存関係(package-lock.json、peer dependency)、Pages の仕組みの誤解(環境変数、キャッシュ)のいずれかです。

体系的な切り分けが重要です:

  1. ビルドログで本当のエラーを見つける
  2. 依存・バージョン・パス・設定のどれか判断する
  3. ローカルで再現する
  4. 対応する解決策を当てはめる
  5. 予防設定で再発を防ぐ

この記事をブックマークしておけば、次にビルドが落ちたときも 10 分以内に直せる可能性が高いです。緑の「✓ Deployed」が出たときの安堵感は、一度味わうと忘れられません。

他に Cloudflare Pages で困ったことがあれば、コメントで共有してください。誰かの助けになるかもしれません。

Cloudflare Pages ビルド失敗の完全な切り分けフロー

ビルド環境の理解から 8 つのよくある問題の解決まで。90% は 10 分以内に解決可能

Estimated time: PT10M

  1. 1

    Step 1: ビルド環境の特殊性を理解する

    デフォルト設定:
  2. 2

    Step 2: 素早く切り分ける:ログと Deployment ID

    ログの要点:
  3. 3

    Step 3: ローカル再現と依存インストール失敗の解決

    ローカル再現:
  4. 4

    Step 4: Node 非互換とビルドタイムアウトの解決

    Node:
  5. 5

    Step 5: モジュール解決と環境変数の誤設定

    モジュール:99% は大文字小文字。import をファイル名と完全一致。ESLint import/no-unresolved。vite の alias。
  6. 6

    Step 6: Git 連携と Functions デプロイ失敗

    Git:GitHub App の再インストール、重複リポの削除、Maintainer 権限、コミットメッセージの特殊文字回避。

FAQ

Cloudflare Pages のビルド環境のデフォルト設定は?ローカルと何が違う?
デフォルト設定:
• OS:Ubuntu 22(Build System V2)
• Node:18.17.1(やや古く、新しいパッケージと非互換のことがある)
• パッケージマネージャー:デフォルトは npm install ではなく npm clean-install
• ビルドタイムアウト:20 分のハードリミット
• Worker サイズ:10MB 上限

ローカルとの主な 3 つの差:
1) ファイルシステムの大文字小文字:
• Linux は厳密。Windows/Mac はデフォルトで区別しない
• import Header from './header' でファイル名が Header.js でも Linux ではエラーになりやすい
• 見落としやすい落とし穴

2) ネットワーク:
• ローカルでは npm ミラー(例:淘宝源)を使っていることがある
• Pages は公式 npm レジストリに直結し、タイムアウトすることがある

3) デフォルトビルドコマンド:
• Cloudflare は build command の前に npm clean-install --progress=false を自動実行
• npm install より厳格。package-lock.json と package.json がずれると失敗

Node が古い理由は安定性重視。一方で多くの新パッケージは Node >= 18.18.0 や >= 20.0.0 を要求し、バージョン衝突が起きる。
Cloudflare Pages のビルド失敗を素早く切り分けるには?
ステップ 1:ビルドログを読む
ログは数百行になるが、次の箇所だけ見ればよい:
• 最後の ERR! または ERROR(npm ERR! code ERESOLVE、npm ERR! ERESOLVE could not resolve)
• Vite/Webpack のエラー([vite]: Rollup failed to resolve import)
• Git 関連(fatal: unable to access repository)

「ERR!」(感嘆符込み)で検索し、3〜5 行上を読むと原因にたどり着くことが多い。インストール出力の前半に惑わされない。

ステップ 2:Deployment ID を保存
ビルド失敗のたびに一意の Deployment ID が付く。ブラウザのアドレスバー例:
https://dash.cloudflare.com/xxx/pages/view/your-project/a398d794-7322-4c97-96d9-40b5140a8d9b

サポート依頼やコミュニティ投稿時に必須。ID があれば他者がビルド記録を特定できる。

ステップ 3:ローカルで再現
Linux 環境で再現する:
• Docker で Ubuntu 22:docker run -it ubuntu:22.04 bash
• Pages と同じ npm ci
• nvm で Node 18.17.1:nvm use 18.17.1

ローカルで npm ci が失敗すれば依存関係の問題。Node 18.17.1 で落ちればバージョン互換の問題。
依存関係のインストール失敗(npm install エラー)はどう直す?
典型的なエラー:
• npm ERR! code ERESOLVE
• npm ERR! ERESOLVE could not resolve
• npm ERR! Fix the upstream dependency conflict, or retry with --force or --legacy-peer-deps
• npm ERR! code ERR_SOCKET_TIMEOUT、npm ERR! network Socket timeout

ローカルでは npm install が通るのに Pages で ERESOLVE — 理由は Cloudflare がデフォルトで npm ci を使うため。

原因:
• npm clean-install は peer dependency を自動解決しない
• package-lock.json と package.json の不整合
• ネットワークタイムアウト(公式 npm に届かない)

解決策(おすすめ順):

1) デフォルトインストールをスキップ
• 環境変数 SKIP_DEPENDENCY_INSTALL=true
• Build command:npm install --legacy-peer-deps && npm run build

2) package-lock.json を直す
rm package-lock.json
npm install
git add package-lock.json && git commit -m "fix: regenerate package-lock.json" && git push

3) GitHub Actions でビルド
• cloudflare/pages-action で環境を完全にコントロール

予防:ローカルで定期的に npm ci を実行し lock を同期。
Node バージョン非互換とビルドタイムアウトはどう対処する?
Node 非互換:

典型エラー:
• ERR_PNPM_UNSUPPORTED_ENGINE
• This package requires Node.js ^18.18.0 or >=20.0.0
• The engine "node" is incompatible. Expected ">=18.18.0". Got "18.17.1"

多くは Node が古すぎる。TypeScript ESLint や Next.js 14+ は >= 18.18.0 を要求するが Pages デフォルトは 18.17.1。

解決:
1) 環境変数 NODE_VERSION=20.11.0(Settings > Environment variables)
2) ルートに .node-version(echo "20.11.0" > .node-version)
3) .nvmrc でも可

ベストプラクティス:環境変数と .node-version の両方。最新版より LTS(20.11.0 など)を選ぶ。

ビルドタイムアウト:

症状:ちょうど 20 分で終了し、Build exceeded maximum time of 20 minutes のみ。

解決:
1) Settings > Builds & deployments > Clear build cache
2) bundle analyzer で巨大依存を特定(moment.js → day.js で 3 分短縮した例あり)
3) typecheck・lint を GitHub Actions に移し Pages はビルドのみ
4) pnpm に切り替え:pnpm install && pnpm run build
Module not found(モジュール解決エラー)と環境変数の誤設定は?
モジュール解決:

典型:
• Module not found: Can't resolve './App'
• [vite]: Rollup failed to resolve import

ローカルでは動くのに Pages で失敗 — 99% は大文字小文字。

Linux は厳密、Windows/macOS はデフォルトで区別しない。import App from './app' でファイルが App.js だと Linux でエラー。

解決:
1) import パスをファイル名と完全一致させる。ESLint import/no-unresolved
2) vite.config.js の resolve.alias で @components など

環境変数:

Pages の変数は 2 種類:
• ビルド時:npm run build で使え、コードに埋め込まれる
• ランタイム:Functions のみ。静的サイトではビルド時のみ

解決:
1) Production/Preview を選び、ビルド時変数は Build にチェック
2) Vite は VITE_、Next.js 公開変数は NEXT_PUBLIC_、Nuxt は runtimeConfig
3) API キーは Secret 型
Git 連携と Functions デプロイ失敗はどう直す?
Git 連携:

症状:
• リポジトリ認可失敗、「This repository is already in use by another Pages project」
• Push してもビルドが走らない

原因:GitHub/GitLab 認可、同一リポジトリを複数アカウントで使えない制限など。

解決:
1) GitHub Settings > Applications > Cloudflare Pages を Uninstall し Dashboard で再接続
2) 他アカウントで同じリポを使っていないか確認し、重複プロジェクトを削除
3) リポジトリで Maintainer 以上が必要(Contributor では不可)
4) コミットメッセージに絵文字や特殊文字を避ける

Functions 失敗:

症状:ビルド成功後にデプロイ失敗、Functions bundle size exceeding limit

原因:Worker 10MB 超過、Bindings(KV/D1/R2)誤設定、Node 専用 API の使用

解決:
1) bundle analyzer でサイズ確認、tree-shaking
2) Astro/SvelteKit adapter で mode: 'directory'(プリレンダー過剰バンドル防止)
3) Settings > Functions > Bindings を確認
4) fs、child_process、net/http は不可。必要ならビルド時に処理

7分で読めます · 公開日: 2025年12月1日 · 更新日: 2026年6月8日

関連記事

コメント

GitHubアカウントでログインしてコメントできます