OpenClaw 2026.3 実践ガイド:新バージョンの主要機能とベストプラクティス
OpenClaw 2026.3 バージョン(v2026.3.7-beta.1)は 200 を超えるバグを修正し、公式 CHANGELOG は 1 万 5 千字近くに及びました。以前はマルチモデルルーティングのタスクで、サンドボックス権限の設定がたびたびエラーになっていました。ところが新バージョンでは一発で通ります。主なアップデートは、ContextEngine エンジン(コンテキスト使用量が約 30% 削減)、プラグインシステムの Bundle + Provider + Plugin という 3 層アーキテクチャへの再設計、そして OpenShell と SSH を含む 3 種類のサンドボックスバックエンドの追加です。
この記事は OpenClaw シリーズの第 34 回。2026.3 バージョンの実践ポイントを集中的に整理します。ContextEngine エンジンの使い方、プラグイン 3 層アーキテクチャの設定方法、サンドボックスバックエンドの選び方が中心です。旧バージョンからアップグレードしてきた人なら、移行の要点をすばやく押さえられるはずです。
一、バージョン概要 — 2026.3 がもたらしたもの
まずはデータから。v2026.3.7-beta.1 というこの 1 バージョンだけで 200 以上のバグを修正しています。これは後続のいくつかの patch の積み上げを含みません。公式 CHANGELOG はおよそ 1 万 5 千字。読み終えたあと、だいたい次のような方向性にまとめられました。
ContextEngine エンジンの強化。以前の OpenClaw のコンテキスト管理は、わりと「素朴」でした。渡した分だけ丸ごと飲み込み、持ちこたえられるかはモデル次第。新バージョンには「賢いトリミング」に近い仕組みが加わり、いま取り組んでいるタスクに本当に必要な情報を自動で見分け、残りはいったん脇に置きます。私のテストでは、同じ 50 ターンの複雑なタスクで、コンテキスト使用量がだいたい 30% 減りました。
プラグイン体系の再設計。ここが最も変化の大きいところ。従来の Skills という単層構造から、Bundle + Provider + Plugin の 3 層になりました。要するにプラグインをより「モジュール化」したわけです。以前はあるスキルを Codex から Claude に移そうとすると、大量の設定を書き換える必要がありました。いまは Provider を差し替えるだけで、コアのロジックには触れません。この設定方法は第 3 章で詳しく説明します。
サンドボックスバックエンドの多様化。以前はほぼ Docker に縛られていましたが、いまは OpenShell(mirror と remote モードに対応)や SSH sandbox が増えました。Mac ユーザーや Docker を入れたくない人なら、OpenShell mirror モードがなかなかいい選択肢です。ローカルの shell を直接使うので、起動が断然速くなります。
人間と AI の協働ワークフローの強化。これはちょっと面白い。新バージョンは「完全自動化」の発想ではなく、human-in-the-loop を重視しています。簡単に言えば、AI が作業の途中で立ち止まって「これで合っていますか」と尋ね、あなたが確認してから続行する、という流れです。最初は地味な機能だと思っていましたが、何度か使ううちに気づきました——確かに落とし穴を減らせます。
そうそう、見落としやすい点がもう一つ。SELinux の自動検出です。CentOS や RHEL を使っているなら、以前はサンドボックスの設定で権限問題に当たることがありました。いまは自動で検出して設定の提案まで出してくれます。
二、主要な新機能の詳細
2.1 /btw サイド質問
この機能、最初はあまり気に留めていませんでした。ただの「会話の分岐」だろう、と。でも実際に使ってみて気づきました——これは本当に便利です。
こんな場面を想像してください。OpenClaw に複雑な React コンポーネントのリファクタリングを頼んでいて、タスクはすでに十数ターン回り、コンテキストにはかなりの内容が積み上がっています。そこへ突然、無関係な質問が浮かびます。たとえば「この正規表現はどう書くんだっけ」。以前なら新しいセッションを開くか、思い切って現在の会話に押し込むしかありませんでした(そしてコンテキストは破綻します)。
いまは /btw あなたの質問 と入力するだけ。OpenClaw が「サイドチャネル」で答えてくれて、メインタスクのコンテキストには影響しません。回答が終わると、自動でメインタスクに戻って作業を続けます。
# サイド質問の例
/btw メールアドレスにマッチする正規表現を書いて
# 出力例
# [サイド質問] メール正規表現:^[a-zA-Z0-9._%+-]+@[a-zA-Z0-9.-]+\.[a-zA-Z]{2,}$
# [メインタスク継続] コンポーネントをリファクタリング中...
正直なところ、この機能は私がずっと悩んでいた問題を解決してくれました。長いタスクの途中で「割り込んで」聞きたいのに、コンテキストを壊したくない、という悩みです。
2.2 差し替え可能なサンドボックスバックエンド
サンドボックス周りの変更はわりと硬派です。以前は Docker しか選べませんでしたが、いまは 3 つあります。
OpenShell mirror モード:ローカルの shell を直接使いますが、コマンドの実行は「ミラー」として記録されます。利点は起動が速くリソース消費が少ないこと。欠点は隔離性が Docker に劣ること。ローカルでの開発・テストに向いています。
OpenShell remote モード:リモートサーバーの shell に接続します。タスク専用のマシンがあるなら、このモードでそちら側でコマンドを実行させ、ローカルは制御だけ担えます。チーム協働や環境を統一したい場面に向いています。
SSH sandbox backend:remote モードに似ていますが、より「ネイティブ」寄りで、OpenClaw 独自のプロトコルは不要です。既存の SSH インフラがある場合に向いています。
設定例(OpenShell mirror)。補足:OpenClaw 実行時のメイン設定は ~/.openclaw/openclaw.json(JSON) です。下記の YAML は階層構造の理解を助けるためのものにすぎません。キー名や実際の構造は Gateway 設定 と現行バージョンを正としてください。
# 以下はイメージ。貼り付けられる正式な設定として扱わないこと
sandbox:
type: openshell
mode: mirror
options:
shell: /bin/bash # または /bin/zsh
timeout: 300 # 1 コマンドのタイムアウト(秒)
Docker を入れたくないなら、この mirror モードはとても軽量な選択肢です。MacBook Air で試したところ、メモリ使用量は Docker の半分ほどでした。
2.3 Firecrawl 統合
Web スクレイピングはずっと OpenClaw の弱点でした。以前の方式は少々「力技」で、curl で取ってきて HTML を解析するだけ。アンチクローラーや動的レンダリングのページに当たると、もうお手上げでした。
今回 Firecrawl を統合したことで、状況は大きく改善しました。Firecrawl はそもそも Web スクレイピング専門のサービスで、JavaScript レンダリングに対応し、ページネーションも自動処理。さらに構造化された Markdown を出力できます。OpenClaw はこれを組み込みツールとして包み込みました。
# Firecrawl を有効化
tools:
web_scraping:
engine: firecrawl
api_key: ${FIRECRAWL_API_KEY} # 環境変数の利用を推奨
実際にテストしてみると、複雑な SPA ページ(たとえばある React のドキュメントサイト)をスクレイピングする場合、以前は何ターンも prompt を手で書いてようやくきれいな内容を取れていました。いまはほぼ一発で済みます。
2.4 Secrets ワークフロー
この機能は主に API キーのセキュアな管理という問題を解決します。以前はキーを設定ファイルにハードコードしたり、環境変数を使っても誤って Git にコミットしたりしがちでした。
新バージョンの Secrets ワークフローは、完全な「追加・削除・変更・参照」のサイクルに対応しています。
# キーを追加
/secrets set OPENAI_API_KEY "sk-xxx"
# すべてのキーを一覧表示(名前のみ表示、値は非表示)
/secrets list
# キーを削除
/secrets delete OPENAI_API_KEY
キーはローカルの ~/.openclaw/secrets/ ディレクトリに暗号化して保存され、Git 操作ではこのディレクトリが自動で無視されます。チーム共有の設定を使っているなら、キーを環境変数の形式でエクスポートし、CI/CD で注入することもできます。
三、プラグインシステム再設計の実践
ここは 2026.3 バージョンで最も変化の大きい部分であり、多くの既存ユーザーがアップグレード後にいちばん戸惑うところでもあります。私もこの新アーキテクチャを理解するのに丸一週末かかりました。
3.1 Skills から 3 層アーキテクチャへ
以前の OpenClaw のプラグインは Skills と呼ばれ、独立した機能モジュールがひとつひとつ並んでいました。ある機能を使いたければ Skill をひとつ入れ、設定すれば使える。シンプルで荒削りですが、問題も少なくありませんでした。
- 異なる Skill 同士で依存の衝突が起きることがある
- 別の AI モデルへ移行するとき、Skill ごとに互換性をチェックする必要がある
- 既存の Skill をカスタマイズしようとすると、ほぼ書き直しに等しい
新バージョンの 3 層アーキテクチャは、次のように区分されています。
Bundle(能力パック):最上層の「機能の集合」。たとえば codex-bundle、claude-bundle。1 つの Bundle には一連の Plugin と、デフォルトの Provider 設定が含まれます。「すぐ使える機能スイート」と理解すればよいでしょう。
Provider(モデル提供者):中間層。具体的な AI モデルとの接続を担います。たとえば openrouter-provider を使えば OpenRouter 経由で数十種類のモデルにアクセスでき、copilot-provider なら GitHub Copilot につながります。
Plugin(プラグイン):最下層。具体的な機能ロジックを実装します。たとえば web-search-plugin は Web 検索を、code-review-plugin はコードレビューを担当します。
この構成のメリットは何でしょう。例を挙げます。コードレビュー機能を OpenAI モデルから Claude へ移したいとき、Provider の設定を変えるだけで済み、Plugin 本体には手を触れなくてよいのです。
3.2 Bundle 設定の例
claude-bundle を例にすると、設定ファイルはだいたいこんな形です。
# bundles/claude-bundle.yaml
name: claude-bundle
version: 1.2.0
description: "Claude AI 能力スイート"
provider:
name: anthropic
model: claude-3-5-sonnet-20241022
api_key: ${ANTHROPIC_API_KEY}
plugins:
- name: code-generation
enabled: true
- name: code-review
enabled: true
- name: web-search
enabled: false # Claude には標準の Web 接続機能があり、これは不要
settings:
max_tokens: 4096
temperature: 0.7
Bundle を有効化するには、メイン設定で参照するだけです。
# 構造イメージ(実際の設定は openclaw.json + 公式ドキュメントを参照)
bundles:
- claude-bundle
- dev-tools-bundle # 複数を同時に有効化できる
3.3 Provider のプラグイン化
Bundle のデフォルト Provider を使いたくない場合は、単独で設定できます。たとえば OpenRouter 経由で Claude にアクセスする(価格がより安いかもしれません)と、こうなります。
# providers/openrouter.yaml
name: openrouter
type: http
base_url: https://openrouter.ai/api/v1
api_key: ${OPENROUTER_API_KEY}
models:
- id: anthropic/claude-3.5-sonnet
alias: claude-sonnet
- id: openai/gpt-4o
alias: gpt4
そのうえで Bundle 側からこの Provider を参照します。
# bundles/custom-claude.yaml
provider:
ref: openrouter
model: claude-sonnet # 上で定義した alias を使う
この仕組みはコスト最適化にとくに役立ちます。タスクの種類に応じて、異なるモデルのルーティング戦略を選べるのです——簡単なものは安いモデル、複雑なものはハイエンドモデル、といった具合に。この話はシリーズ第 26 回『OpenClaw コスト最適化:モデルルーティング戦略』で詳しく扱っているので、興味があればぜひ。
3.4 ClawHub スキルマーケット
公式が ClawHub というスキルマーケットを立ち上げました。VS Code の拡張機能ストアにちょっと似ています。OpenClaw の中から直接、検索とインストールができます。
# スキルを検索
/hub search code-review
# スキルをインストール
/hub install voltagent/code-review-enhanced
# インストール済みを確認
/hub list
ClawHub のスキルはどれもコミュニティの審査を経ており、バージョン管理もわりときちんとしています。自分でスキルを開発して公開したいなら、hub publish コマンドでアップロードできます。
四、アップグレードと移行ガイド
4.1 旧バージョンからのスムーズなアップグレード
アップグレード自体はとても簡単です。/update を実行するか、OpenClaw に自動でアップデートを検出させます。
# 方法 1:手動でアップデートをトリガー
/update
# 方法 2:会話の中で AI にチェックさせる
"新しいバージョンがないか確認して"
注意:アップグレード前に、必ず以下の準備を済ませてください。
- 既存設定のバックアップ:
~/.openclaw/ディレクトリをまるごとコピーしておく- インストール済み Skills の記録:新バージョンのプラグインシステムは旧版と互換性がなく、入れ直しが必要
- API キーの確認:環境変数を使っているなら、正しく設定されているか確かめる
アップグレード完了後、OpenClaw は旧設定の移行を自動で試みますが、100% 成功するわけではありません。Bundle と Provider の設定は、手動で調整が必要になる可能性が高いです。
4.2 設定の互換性チェックリスト
アップグレード後にこのチェックを一通り走らせると、問題をすばやく特定できます。
| チェック項目 | コマンド | 期待される結果 |
|---|---|---|
| バージョン番号 | --version | v2026.3.x |
| プラグイン一覧 | /plugins list | インストール済みの Plugin を表示 |
| Provider 状態 | /providers status | 設定済みの Provider を表示 |
| サンドボックス状態 | /sandbox status | 現在のサンドボックスの種類と状態を表示 |
| キーストレージ | /secrets list | 保存済みのキー名を表示 |
ある項目でエラーが出たら、まず対応する設定ファイルを確認します。よくある落とし穴は次のとおりです。
- Skills が消えた:正常です。対応する Bundle を入れ直す必要があります
- Provider の接続失敗:API キーが正しく移行されているか確認
- サンドボックスの権限エラー:サンドボックスの初期化コマンドを再実行
4.3 よくある問題と解決法
問題 1:旧版 Skills の設定が認識されない
新バージョンは旧来の Skills 形式をサポートしません。解決方法は以下です。
# 旧版 Skills の一覧を表示(名前のみ)
/legacy-skills list
# 旧 Skills を新しい Plugin 形式に変換
/migrate-skills
変換後の設定は ~/.openclaw/plugins/migrated/ ディレクトリに保存されます。手動で調整が必要な場合があります。
問題 2:Docker サンドボックスの起動失敗
SELinux の権限問題かもしれません。次を実行します。
# SELinux 設定を検出して修正
/sandbox fix-selinux
# あるいは OpenShell mirror モードに切り替える
/config set sandbox.type openshell
/config set sandbox.mode mirror
問題 3:マルチモデルルーティングの設定が消えた
この問題は私もアップグレード時に当たりました。原因は、新しい Provider アーキテクチャでルーティング設定の書き方が変わったことです。解決方法は、第 3 章の例を参考に、Provider 設定ファイルを書き直すことです。
五、実践シナリオとベストプラクティス
5.1 シナリオ 1:マルチモデルルーティングによるコスト最適化
これは多くの個人開発者や小規模チームがいちばん気にする点です。OpenClaw 新バージョンのマルチモデルルーティング機構は、「簡単なタスクは安いモデル、複雑なタスクはハイエンドモデル」という言葉を実際に形にしてくれます。
基本的な考え方はこうです。
# router.yaml
rules:
- name: simple-tasks
condition: "tokens < 1000 and complexity < 0.3"
provider: openrouter
model: openai/gpt-3.5-turbo
- name: complex-tasks
condition: "tokens >= 1000 or complexity >= 0.3"
provider: openrouter
model: anthropic/claude-3.5-sonnet
- name: code-review
condition: "task_type == 'code_review'"
provider: anthropic
model: claude-3-5-sonnet-20241022
実際にテストすると、同じワークロードでコストを 40%〜60% 削減できました。もちろん、これはタスクの分布次第です。
5.2 シナリオ 2:ブラウザ自動化の強化
新バージョンは「Live Chrome session attachment」に対応します。平たく言えば、すでに開いている Chrome のウィンドウを OpenClaw に引き継がせられる、ということです。
これは特定の場面でとても役立ちます。
- すでに認証コードが必要なサイトにログイン済み
- 複数ページを行き来する必要がある
- ブラウザの Cookie やセッション状態を保持したい
設定方法は次のとおりです。
# 構造イメージ(ブラウザ自動化のキー名は公式ドキュメントを正とする)
browser:
mode: attach
chrome_path: /Applications/Google\ Chrome.app/Contents/MacOS/Google\ Chrome
user_data_dir: ~/.chrome-debug-profile
debug_port: 9222
Chrome を起動するときにデバッグ用パラメータを付けます。
# macOS
/Applications/Google\ Chrome.app/Contents/MacOS/Google\ Chrome --remote-debugging-port=9222 --user-data-dir=~/.chrome-debug-profile
# そして OpenClaw に伝える:
"いま開いているブラウザのウィンドウを引き継いで"
5.3 シナリオ 3:エンタープライズ向けセキュア導入
会社の環境で OpenClaw を使うなら、セキュリティは避けて通れない話題です。新バージョンのいくつかの特性は、コンプライアンス要件を満たすのに役立ちます。
1. Secrets の暗号化保存
すべてのキーは AES-256 で暗号化して保存され、キー自体はディスクに書き出しません(メモリ上に保持します)。
2. 監査ログ
監査モードを有効にすると、すべての AI のリクエストとレスポンスが記録されます。
audit:
enabled: true
log_path: /var/log/openclaw/audit.log
redact_secrets: true # キーを自動でマスキング
3. アウトバウンドトラフィックの制御
OpenClaw が特定のドメインにしかアクセスできないよう制限します。
network:
allowlist:
- api.anthropic.com
- api.openai.com
- openrouter.ai
deny_all_others: true
4. SELinux の自動検出
CentOS/RHEL では、OpenClaw が自動で SELinux の状態を検出し、設定の提案を出してくれます。
# OpenClaw が自動生成した提案
# 以下のコマンドを実行して Docker の SELinux ポリシーを設定してください:
# semanage port -a -t docker_port_t -p tcp 2375-2376
まとめ
ここまで長々と書きましたが、2026.3 バージョンにアップグレードしたばかりなら、まずはこの 5 つの機能を試すことをおすすめします。
/btwサイド質問:長いタスクの途中で質問を挟み、「文脈を中断しない」感覚を体験してみる- OpenShell mirror モード:これまで Docker のリソース消費に悩まされてきたなら、絶対に試す価値あり
- Firecrawl の Web スクレイピング:複雑な SPA ページを見つけてテストすると、効果は一目でわかる
- ClawHub スキルマーケット:一巡りして、コミュニティがどんな良いものを出しているか眺めてみる
- Secrets ワークフロー:設定にハードコードしていたキーを移行すれば、セキュリティ面はぐっと良くなる
OpenClaw というプロジェクトはイテレーションがかなり速く、ときに 1〜2 週間で新バージョンが出ます。使っていて何か問題に当たったら、GitHub Issues で検索してみてください。たいてい同じ落とし穴を踏んだ人がいます。
そうそう、このシリーズではこれまで設定の詳解、コスト最適化、アーキテクチャ分析などを書いてきました。OpenClaw に初めて触れるなら、『OpenClaw アーキテクチャガイド:入門から達人まで』から読み始めると、より体系的に理解できるはずです。
OpenClaw 2026.3 クイックスタートガイド
旧バージョンから 2026.3 へアップグレードし、主要機能を設定する
⏱️ 目安時間: 30 分
- 1
ステップ1: バックアップしてアップグレード
アップグレード前に必ず設定をバックアップ:
```bash
# 設定ディレクトリをバックアップ
cp -r ~/.openclaw ~/.openclaw-backup
# アップグレードをトリガー
/update
```
アップグレード後は `--version` を実行してバージョン番号を確認。 - 2
ステップ2: Skills を Plugin に移行
新バージョンは旧 Skills 形式をサポートしない:
```bash
# 旧 Skills の一覧を表示
/legacy-skills list
# 自動移行
/migrate-skills
```
移行後は `~/.openclaw/plugins/migrated/` ディレクトリを確認。 - 3
ステップ3: サンドボックスバックエンドを設定
OpenShell mirror モード(軽量)の利用を推奨:
```yaml
sandbox:
type: openshell
mode: mirror
options:
shell: /bin/bash
timeout: 300
```
または Docker を引き続き使う。 - 4
ステップ4: Bundle と Provider を設定
Bundle 設定を作成または変更:
```yaml
# bundles/claude-bundle.yaml
provider:
name: anthropic
model: claude-3-5-sonnet-20241022
api_key: ${ANTHROPIC_API_KEY}
plugins:
- name: code-generation
enabled: true
```
メイン設定で有効化:`bundles: [claude-bundle]` - 5
ステップ5: キーを Secrets に移行
ハードコードしたキーをセキュアな管理へ移行:
```bash
# キーを追加
/secrets set ANTHROPIC_API_KEY "your-key-here"
# 確認
/secrets list
```
キーは暗号化して保存され、Git は自動で無視する。
FAQ
2026.3 にアップグレードしたあと、旧来の Skills 設定はまだ使えますか?
OpenShell mirror モードと Docker サンドボックスは何が違いますか?
MacBook Air での実測:OpenShell mirror のメモリ使用量は Docker のおよそ半分でした。
/btw サイド質問機能はメインタスクの文脈に影響しますか?
コストを下げるためのマルチモデルルーティングはどう設定しますか?
- 簡単なタスク(tokens <1000)→ 安価な GPT-3.5 を使用
- 複雑なタスク(tokens >=1000)→ Claude 3.5 Sonnet を使用
- 特定のタスク(code_review など)→ 指定のモデルを使用
実測でコストを 40%〜60% 削減できました。詳しくはシリーズ第 26 回『OpenClaw コスト最適化』を参照。
Firecrawl の統合には追加の費用がかかりますか?
エンタープライズ環境での導入にはどんなセキュリティ上の推奨がありますか?
- Secrets の暗号化保存(AES-256)
- 監査ログ(すべての AI リクエストとレスポンスを記録)
- アウトバウンドトラフィックのホワイトリスト(アクセスするドメインを制限)
- SELinux の自動検出(CentOS/RHEL)
これらの機能に対応するメイン設定は **~/.openclaw/openclaw.json**(JSON)および公式の Gateway / セキュリティドキュメントで管理されます。単一の config.yaml というファイル名が存在すると思い込まないでください。
8分で読めます · 公開日: 2026年3月18日 · 更新日: 2026年6月15日
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