OpenClaw 実践完全マニュアル:入門から精通まで
クライアントからメッセージが届きました。明朝 9 時までに競合分析レポートがほしい、と。ブラウザには 10 数個のタブが開きっぱなし、未読メールは 200 通以上。OpenClaw を開いて一行打ち込みます。「直近 1 週間の競合 A に関するニュースを整理して、分析レポートを作って」。5 分後、レポートが Telegram に届きました。
OpenClaw を使い始めて 3 ヶ月目のことです。最初は ChatGPT と何が違うのか、よくわかっていませんでした。どちらも AI と話すだけでは、と。でも使ううちに、まったくの別物だと気づきました。OpenClaw はオープンソースの AI エージェントフレームワークです。ひとことで言えば、目標を与えると自分で手順を計画し、ツールを呼び出し、タスクを実行して、結果を教えてくれます。ChatGPT のように一歩ずつ手で押し進める必要はありません。
もしあなたも毎日いろいろなツールを行き来し、機械的な作業を繰り返しているなら、この記事はきっと役に立つはずです。OpenClaw のコア知識を、インストールから応用テクニックまで整理し、完全な学習ロードマップとしてまとめました。
これは OpenClaw シリーズの第 35 弾で、まとめ記事という位置づけです。これまでの 34 本のエッセンスを統合し、知識体系をすばやく組み立てる手助けをします。
第 1 章:OpenClaw とは何か
1.1 ChatGPT ではなく AI エージェント
OpenClaw に初めて触れる人の多くが、同じ質問をします。これは ChatGPT と何が違うのか、と。
私も最初は戸惑いました。でも、ある例で腑に落ちました。
ChatGPT に「最近のメールを整理して」と頼むと、やり方を教えてくれるか、整理済みのテキストを返してくれます。でも、メールボックスからのコピペは自分でやる必要があります。
同じことを OpenClaw に頼むと、自分でメールボックスを開き、メールを読み、分類し、レポートを生成して、結果をスマホへ送ってくれます。
これが「受動的なチャット」と「自律的なエージェント」の違いです。
OpenClaw の核となる能力は 自律実行 です。ツールを持っていて、ファイルを読み、ウェブを検索し、コードを実行できます。記憶を持っていて、あなたの好みや過去の会話を覚えています。計画を立てられて、目標を達成するには何段階に分ければよいかを把握しています。
1.2 主なメリット:なぜこれを選ぶのか
OpenClaw を 3 ヶ月使って、特に強く感じた点がいくつかあります。
ローカルデプロイで、データが自分の手元にある。 対話履歴がモデル学習に使われる心配がありません。機微な業務内容を扱うときに、これはなかなか重要です。
コストをコントロールできる。 用途ごとにモデルを使い分けられます。単純なタスクは安い小型モデル、複雑なタスクだけ Claude や GPT-4。1 ヶ月の API 費用は、ChatGPT を直接使うよりかなり安く済みます。
カスタマイズできる。 公式が 53 個のスキルパックを提供し、コミュニティにはさらに多くがあります。自分でスキルを書いて、自分のワークフローどおりに動かすことも可能です。
マルチチャネル接続。 Telegram、WhatsApp、Web UI、Gmail……どこからでも話しかけられます。私は主に Telegram を使っていて、どこにいてもメッセージを送って仕事をさせています。
1.3 アーキテクチャはどうなっている?
OpenClaw のアーキテクチャは、それほど難しくありません。簡単な図を描いてみます。
あなた → Channel(Telegram/WhatsApp)→ Gateway → Agent → Tools/Skills
↓
Memory
Gateway:入り口。さまざまなプラットフォームから届くメッセージを受け取ります。
Agent:頭脳。あなたの意図を理解し、実行手順を計画し、ツールを呼び出します。
Channels:通り道。OpenClaw がいろいろなプラットフォーム上であなたと対話できるようにします。
Tools:手足。26 個のコアツールがあり、ファイルを読み、ウェブを検索し、コードを実行し、Git を操作できます。
Skills:スキルパック。公式 53 個に加え、コミュニティが今も拡充中です。たとえば「毎日のニュース配信」「コードレビュー補助」「議事録の生成」など。
Memory:記憶。あなたの好みや過去の会話を記録し、MEMORY.md ファイルに保存します。
アーキテクチャを深く知りたい人は、シリーズの『OpenClaw アーキテクチャガイド:入門から精通まで』を参照してください。
1.4 何ができる?
私がよく使う場面をいくつか紹介します。
個人アシスタント。毎朝、業界ニュースを自動で集めてサマリーにし、Telegram へ配信。スケジュール管理、メール処理、ToDo のリマインドも任せられます。
開発アシスタント。コードレビュー、エラーのデバッグ、ドキュメント生成。コードで詰まったとき、資料を探させたりドキュメントを調べさせたりすると、自分で探すよりずっと速いです。
自動化ワークフロー。データの定期バックアップ、サイト変更の監視、マーケティングメールの自動送信。以前はスクリプトを書く必要があった作業が、今は自然言語で説明するだけで済みます。
スマートホーム制御。Home Assistant を使っていれば、OpenClaw に家のデバイスを制御させられます。たとえば「帰宅した」で自動的に照明とエアコンをオン、など。
第 2 章:クイックスタート — 10 分で動かす
2.1 インストール方法の選び方
OpenClaw は 3 つのインストール方法に対応しています。おすすめ順に並べます。
公式インストールスクリプト(初心者向け)
公式インストールドキュメントが推奨するワンコマンドは次のとおりです:
curl -fsSL https://openclaw.ai/install.sh | bash
スクリプトがシステムを検出し、必要に応じて Node のバージョンを処理し、CLI をインストールします。完了後は、続けて下のオンボーディングウィザードを実行してください。
npm のグローバルインストール
Node を自分で管理している場合(公式は Node 24 を推奨、最低 Node 22.14+):
npm install -g openclaw@latest
openclaw onboard --install-daemon
openclaw --version、openclaw doctor、openclaw gateway status でセルフチェックできます。
ソースからのインストール(コントリビューター向け)
公式リポジトリの推奨フローは pnpm でビルドします:
git clone https://github.com/openclaw/openclaw.git
cd openclaw
pnpm install && pnpm ui:build && pnpm build
pnpm link --global
openclaw onboard --install-daemon
グローバル link をしたくなければ、リポジトリ内で pnpm openclaw ... も使えます(詳細は公式 Setup ドキュメント参照)。
ソースをいじるのではなく使うだけなら、ワンコマンドスクリプトか npm のグローバルインストールで十分です。
より細かい手順は、シリーズの『OpenClaw インストールガイド』と『OpenClaw 2026 最終インストールガイド』を見てください。
2.2 基本設定
インストールが終わったら、モデルプロバイダとチャネルの初期化を行います。
API キー
OpenClaw は大規模言語モデルの API(Anthropic、OpenAI、Google など)を呼び出す必要があります。推奨は openclaw onboard での対話的な書き込みです。openclaw secret set などのコマンドでキーを管理し、長期有効の平文キーが同期対象のディレクトリに散らばらないようにしましょう。環境変数とキーの解決順序は公式ドキュメントに従ってください。
チャネル設定
やはり Telegram から始めるのがおすすめです。BotFather で Bot を作って token を取得したら、ウィザードで紐付けるのが一番ラクです。手で編集する場合、メイン設定ファイルは ~/.openclaw/openclaw.json で、channels.telegram などのフィールド名と例は公式 Telegram チャネルドキュメントを直接参照してください(古いチュートリアルに出てくる config.yaml は一般化した言い回しにすぎないので、openclaw.json と公式フィールドに従ってください)。
WhatsApp など他のチャネルも同様で、対応する公式チャネルページに従います。Web コンソールは openclaw dashboard で開けます(Gateway が正常に稼働している必要あり)。
セキュリティ設定の基本
最低でも 2 つはやっておきましょう。
MEMORY.mdと.envに適切な権限を設定する- サーバーにデプロイするならファイアウォールのルールを設定する
セキュリティは後の第 5 章で詳しく扱います。ここではまず概念だけ押さえておきます。
2.3 初回の対話
設定が終わったら、Gateway を起動してセルフチェックします。
openclaw gateway status
# フォアグラウンドでのデバッグ(ターミナルを開いたままにしてログを見やすく):
openclaw gateway
公式デフォルトの Telegram ペアリング(pairing) ポリシーを使う場合、初回の私的チャットでは Gateway 側で openclaw pairing approve telegram <CODE> の実行が必要です(ペアリングコードは約 1 時間有効)。設定で明示的に dmPolicy: "allowlist" を使い、自分のユーザー ID を入れておけば、ポリシーに応じてペアリング手順を省略できます。詳しくは公式 Telegram ドキュメントを参照してください。
そのうえで Telegram から自分の Bot を見つけて、メッセージを 1 通送ってみましょう。
最初のおすすめスキル:記憶
OpenClaw にあなたの好みを覚えさせてみます。
覚えておいて。私は毎朝 8 時に起きて、テクノロジーニュースが好きで、作業言語は日本語です。
そのあと MEMORY.md ファイルを見ると、これらの情報が記録されているのがわかります。次回の対話では、この好みを踏まえて答えてくれます。
実際に働かせてみる
最近の OpenClaw に関するニュースを探して、要点 5 つにまとめて。
OpenClaw が自分でウェブを検索し、内容を読み、情報を整理し、最後に結果を送ってくる様子が見られます。途中であなたが手を出す必要はありません。
この「自分で働いてくれる」感覚は、一度味わうともう戻れません。
第 3 章:コア機能の実践 — ツールとスキルシステム
3.1 26 個のコアツール
OpenClaw には 26 個のコアツールが組み込まれていて、ファイル操作、ネットワークリクエスト、コード実行などをカバーします。カテゴリごとに、よく使うものを挙げます。
ファイル操作系
| ツール | 機能 |
|---|---|
read_file | ローカルファイルを読む |
write_file | ファイルへ書き込む |
execute_command | shell コマンドを実行 |
list_directory | ディレクトリの内容を一覧 |
ネットワーク系
| ツール | 機能 |
|---|---|
web_search | ウェブを検索 |
fetch_url | ウェブの内容を取得 |
scrape | ウェブの構造を解析 |
コード系
| ツール | 機能 |
|---|---|
execute_code | コード片を実行 |
git_operations | Git 操作 |
たとえば OpenClaw に「このプロジェクトのコード構造を分析して」と頼むと、こう動きます。
list_directoryでディレクトリをたどるread_fileで重要なファイルを読むexecute_codeで分析スクリプトを実行する- 結果を整理して送る
これらすべてを、あなたはひとこと言っただけです。
3.2 スキルシステム入門
ツールは基礎能力で、スキルはパッケージ化された「ワークフロー」です。
公式が 53 個のスキルを提供し、コミュニティも貢献を続けています。よく使うものをいくつか紹介します。
必携スキルのおすすめ
memory — 記憶管理。あなたの好みや過去の会話を記録し、OpenClaw が「あなたを覚えている」ための基礎になります。
web_search — ウェブ検索。検索・取得・解析の流れをまとめてあり、ツールを直接呼ぶより手軽です。
code_execution — コード実行。Python や JavaScript を実行でき、データ処理やプロトタイプ検証に向いています。
スキルマーケット
公式スキルのほかに、もっと多くのスキルが見つかる場所が 2 つあります。
- ClawHub:公式スキルマーケット。コミュニティ製スキルをワンクリックでインストールできる
- awesome-openclaw-skills:GitHub 上のスキル集。品質はまちまちだが、良いものも多い
スキルのインストールはとても簡単です。
openclaw skill install <skill_name>
または設定ファイルに追加します。
skills:
- name: daily_news
source: github
repo: user/daily-news-skill
3.3 カスタムスキルの開発
公式やコミュニティのスキルでも足りないなら、自分で書けます。
スキルの本質は、設定ファイル 1 つ + 一連のツール呼び出しです。一番シンプルなスキルはこんな形です。
name: my_skill
description: 大事なことを覚えておく
tools:
- memory.write
- memory.read
prompt: |
ユーザーが「XXX を覚えて」と言ったら memory.write で保存する。
ユーザーが「以前何を覚えさせたか」と聞いたら memory.read で照会する。
書いたら skills/ ディレクトリに置き、OpenClaw を再起動すれば使えます。
カスタムスキルの開発では、いくつか注意点があります。
- トリガー条件を明確にする:どんなときにこのスキルを使うか
- ツール権限の制御:スキルに必要なツールだけを与え、セキュリティリスクを避ける
- エラー処理:ツール呼び出しが失敗する場合を考慮する
スキル開発を深く学びたいなら、シリーズの『OpenClaw Skills 開発ガイド』を見てください。
第 4 章:応用実践 — ワークフローの自動化
4.1 マルチモデルルーティングとコスト管理
しばらく使ううちに、ある痛点に気づきました。API 費用の伸びが少し速いのです。
特に、OpenClaw に単純なタスク(ToDo の整理や普通のメッセージへの返信など)をさせるのに、Claude や GPT-4 を使うのは、ニワトリをさばくのに牛刀という感じでした。
その解決策がマルチモデルルーティングです。
なぜルーティングが必要か
単純なタスクは安いモデル、複雑なタスクは高いモデル。たとえばこう分けます。
- ToDo の整理、簡単な質問応答 → GPT-3.5 や Claude Haiku
- コードレビュー、複雑な推論 → GPT-4 や Claude Sonnet
- 特に複雑なタスク → Claude Opus
設定の考え方
マルチモデルの切り替え、ルーティング、フォールバックの 実際のキー名 は ~/.openclaw/openclaw.json と公式の「Models / Model Failover」などのページに書かれていて、バージョンごとに変わります。ネット上で出回る config.yaml の断片をそのまま写すのはおすすめしません。実例と運用可能なルーティング戦略はシリーズ記事『OpenClaw コスト管理:モデルルーティング戦略』にあり、フィールドは公式モデルドキュメントで照合してください。
ルーティングとフォールバックの戦略を入れてから、API 費用はおよそ 40% 下がりました(タスクの種類で変わるので、あくまで参考値です)。
4.2 定期タスクと自動化
これは私のお気に入りの機能のひとつです。
OpenClaw は定期タスク(Cron)に対応しています。CLI に openclaw cron add などのコマンドがあり、タスクは ~/.openclaw/cron/jobs.json に永続化されます(実際のパスはあなたの環境に従ってください)。詳しくはシリーズの『OpenClaw Cronjob 自動化ガイド』と公式定期タスクドキュメントを参照してください。
私がよく使う定期タスク
- 毎日のニュースサマリー:朝 8 時にテクノロジーニュースを Telegram へ配信
- 週報の生成:毎週金曜の午後に今週の進捗を整理
- データバックアップ:毎週日曜の未明に自動でデータをバックアップ
これらのタスクは、以前ならスクリプトを書いて crontab を設定する必要がありましたが、今は自然言語で説明するだけ。気がラクです。
詳しい設定は『OpenClaw Cronjob 自動化ガイド』を見てください。
4.3 マルチチャネル統合
OpenClaw は複数のチャネルを同時に接続できます。Telegram からメッセージを送り、結果をメールへ送らせる、といったことも可能です。
対応する主なチャネル
- Telegram(最もよく使う)
- Gmail
- Web UI
- Discord
実践事例:統一メッセージセンター
私は「メッセージ集約」のワークフローを組んでいます。
- OpenClaw が複数のメールボックスを監視する
- 重要なメールが届いたら内容を要約して Telegram へ配信する
- 私が Telegram で返信すると、OpenClaw が自動でメール返信する
こうすると、別々のアプリを行き来せずに、すべてのやり取りが 1 つの入り口に集まります。
いろいろなメッセージに溺れがちな人は、この機能を試す価値があります。
4.4 ブラウザ自動化(2026.3 新機能)
2026.3 バージョンで、とてもクールな機能が追加されました。Live Chrome Session Attachment です。
ひとことで言えば、OpenClaw があなたのブラウザセッションを「引き継げる」ようになりました。
何ができる?
- フォームの自動入力
- ログインが必要なページの取得
- ウェブ機能の自動テスト
- サイト更新の定期チェック
設定例
browser:
enabled: true
headless: false # true にするとバックグラウンドで実行
user_data_dir: ~/.config/openclaw/chrome
これで OpenClaw にこう頼めます。
GitHub を開いて、新しい Pull Request がないか確認して。
ブラウザを起動(または既存のものを引き継ぎ)し、自分でログインして遷移し、確認してくれます。
この機能はまだ高速に進化中なので、いち早く試したい人は『OpenClaw 2026.3 実践応用』を見てください。
第 5 章:セキュリティとデプロイ — 本番環境のベストプラクティス
5.1 セキュリティ設定チェックリスト
OpenClaw はコマンドを実行し、ファイルを操作できます。セキュリティ設定は手を抜けません。
API キーの管理
API キーを設定ファイルにハードコードするのは絶対に避けます。環境変数を使いましょう。
export ANTHROPIC_API_KEY=sk-ant-xxx
または OpenClaw の Secrets ワークフローを使います。
openclaw secret set ANTHROPIC_API_KEY
キーは暗号化して保存され、実行時に自動で環境変数へ注入されます。
サンドボックス設定
OpenClaw はデフォルトで一定の隔離措置を備えていますが、より安全にしたければ Docker サンドボックスを設定できます。
sandbox:
type: docker
image: openclaw/sandbox:latest
resource_limits:
memory: 512M
cpu: 0.5
こうすると、OpenClaw が実行するコードはすべてコンテナ内で動き、ホストマシンに影響しません。
SELinux の設定
2026.3 バージョンで SELinux の自動検出が追加されました。システムで SELinux が有効なら、OpenClaw が正しいコンテキストを設定するよう促してくれます。
私は一度ハマりました。CentOS にデプロイしたとき、SELinux がデフォルトで OpenClaw のネットワークアクセスを止めていたのです。原因がこれだと気づくまで、しばらく試行錯誤しました。
基本セキュリティチェックリスト
- API キーは環境変数か Secrets で管理する
- MEMORY.md と .env のファイル権限を 600 にする
- 本番環境では Docker サンドボックスを設定する
- SELinux/Firewall のルールを確認する
- OpenClaw のバージョンを定期的に更新する
詳しいセキュリティ設定は『OpenClaw セキュリティ強化ガイド』を見てください。
5.2 デプロイ方法の比較
OpenClaw は複数のデプロイ方法に対応していて、それぞれ長所と短所があります。
| 方法 | 長所 | 短所 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| ローカルデプロイ | 簡単・無料・データが完全にローカル | PC をつけっぱなしにする必要 | 個人利用、開発・テスト |
| サーバーデプロイ | 安定・リモートアクセス可 | サーバー保守が必要、コストあり | 小規模チーム、本番環境 |
| クラウド(DigitalOcean など) | ワンクリックデプロイ・保守不要 | コスト高め、データがクラウド側 | すばやく公開したい、手間を避けたい |
私の選択
最初はローカルで動かしていましたが、PC がスリープすると止まってしまいました。古いノート PC をサーバー代わりにも試しましたが、騒音と電気代であきらめました。
今は安い VPS を使っていて、月数ドルで半年以上ずっと安定して動いています。
じっくり比較したい人は『OpenClaw デプロイ比較』を見てください。
5.3 エンタープライズデプロイの要点
会社で OpenClaw をデプロイするなら、考えることがもっと増えます。
マルチユーザー管理
OpenClaw はマルチユーザーに対応し、ユーザーごとに独立した Memory と権限設定を持てます。
users:
- id: user1
channels: [telegram, email]
permissions: [read, write, execute]
- id: user2
channels: [web]
permissions: [read]
監視とログ
本番環境には監視が欠かせません。OpenClaw は構造化ログの出力に対応しています。
logging:
level: info
format: json
output: /var/log/openclaw/app.log
Grafana などの監視ツールと組み合わせれば、稼働状況をリアルタイムで確認できます。
高可用性の設定
OpenClaw のダウンが業務に影響するなら、高可用性を考える必要があります。
- マルチインスタンスのデプロイ + ロードバランシング
- データベースで Memory を永続化
- 設定とデータの定期バックアップ
これらの内容は『OpenClaw エンタープライズデプロイ』で詳しく説明しています。
第 6 章:学習パスとリソース
6.1 初心者の段階(0〜1 ヶ月)
この段階の目標は、動かせるようになり、簡単なことができるようになることです。
おすすめの読み物
- 『OpenClaw インストールガイド』— そのとおりに 1 回入れてみる
- 『OpenClaw アーキテクチャガイド:入門から精通まで』— 全体構造を理解する
- 『OpenClaw 設定ガイド』— Telegram をつなぐ
実践目標
- うまくデプロイして起動できる
- 初回の対話を完了する
- OpenClaw に自分の好みを覚えさせる
- スキルを 1 つ試す(たとえば web_search)
よくある問題
- インストールできない:公式スクリプトに切り替え、ソースで悩まない
- Telegram につながらない:Bot Token とネットワークを確認
- API エラー:キーが正しいか、残高が足りるかを確認
6.2 中級の段階(1〜3 ヶ月)
この段階の目標は、OpenClaw に本当に時間を節約してもらうことです。
おすすめの読み物
- 『OpenClaw コスト管理:モデルルーティング戦略』— API 費用を節約する
- 『OpenClaw セキュリティ強化ガイド』— データの安全を守る
- 『OpenClaw Cronjob 自動化ガイド』— 定期タスクを設定する
実践目標
- マルチモデルルーティングを設定し、コストを下げる
- 定期タスクを 2〜3 個セットする
- マルチチャネル統合(Telegram + Email)を試す
- コミュニティのスキル集を探る
アドバイス
この段階が一番あきらめやすいです。目新しさが消える一方で、本当に時間を節約できる感覚はまだ得られていないからです。
私のおすすめは、毎日やる繰り返し作業を 1 つ選んで OpenClaw に任せること。たとえば毎日のメール整理、毎週の週報生成。効果が見えれば、さらに深掘りする意欲が湧きます。
6.3 エキスパートの段階(3 ヶ月以上)
この段階の目標は、OpenClaw を自分専用のツールに育てることです。
おすすめの読み物
- 『OpenClaw エンタープライズデプロイ』— 本番環境へのデプロイ
- 『OpenClaw Skills 開発ガイド』— カスタムスキル
- 公式ソースコード — 低レイヤーの実装を理解する
実践目標
- カスタムスキルを開発する
- 本番環境にデプロイする
- パフォーマンスとコストを調整する
- コミュニティに貢献する(PR を出す、チュートリアルを書く)
発展の方向
- 自分のワークフローへ深く統合する
- スキルを開発してコミュニティへ共有する
- 低レイヤーのアーキテクチャを研究し、プロジェクトに貢献する
6.4 外部リソースのおすすめ
このシリーズのほかにも、良いリソースがあります。
公式リソース
- 公式ドキュメント:docs.openclaw.ai
- GitHub:github.com/openclaw/openclaw
コミュニティリソース
- awesome-openclaw-skills:コミュニティのスキル集
- ClawHub:公式スキルマーケット
質の高いチュートリアル
- freeCodeCamp の『OpenClaw Full Tutorial for Beginners』— 最も網羅的な英語の入門チュートリアル
- every.to の『OpenClaw Comprehensive Guide』— わかりやすい
まとめ
ここまで語ってきましたが、OpenClaw は学ぶ時間を投じる価値があるのでしょうか。
私の答えはこうです。繰り返し作業が多く、複数のツールを行き来する必要があり、「本当に働いてくれる」AI アシスタントがほしいなら、価値があります。
入れた瞬間にすべてが変わる魔法の道具ではありません。最初は学習コストがあり、設定には時間がかかります。でも一度動き出せば、多くのことを本当に任せられると気づくはずです。
今すぐできる 3 つのこと:
- デプロイ方法を 1 つ選び、OpenClaw を入れる。ローカル、サーバー、クラウド、使いやすいものでかまいません。
- スキルを 1 つ試す。web_search や memory から始めて、「AI が自分で働く」感覚を体験するのがおすすめです。
- コミュニティに参加する。OpenClaw はまだ高速に発展中で、コミュニティには探る価値のあるものがたくさんあります。
学習の途中で困ったら、シリーズの関連記事を探すか、GitHub で Issue を立ててみてください。私も数々の落とし穴にハマってきたので、気軽に交流しましょう。
OpenClaw クイックスタートガイド
10 分で OpenClaw のインストールと初回対話を完了させる
⏱️ 目安時間: 10 分
- 1
ステップ1: OpenClaw のインストール
公式インストールスクリプトでワンコマンド導入:
```bash
curl -fsSL https://openclaw.ai/install.sh | bash
```
• macOS / Linux / Windows(WSL2 のほか、公式はネイティブ Windows のインストール経路も用意)に対応
• 依存関係と CLI の導入を自動で処理
• 導入後は `openclaw onboard --install-daemon` でオンボーディングを完了し、`openclaw gateway status` で Gateway を確認 - 2
ステップ2: API キーの設定
オンボーディングウィザードか secret 系コマンドで API キーを管理するのがおすすめ:
```bash
openclaw onboard --install-daemon
# または(例)公式ドキュメントに従い secret コマンドでキーを書き込む
```
• Claude / OpenAI / Gemini などに対応(実際の選択肢は CLI ウィザードに従う)
• 長期有効のキーを Git や公開チャットに平文で置かない - 3
ステップ3: Telegram との連携
1. @BotFather で Bot を作成し token を取得
2. `openclaw onboard` で Telegram を紐付けるか、公式ドキュメントに従って `~/.openclaw/openclaw.json` の `channels.telegram` を編集
• Telegram 公式ドキュメント:https://docs.openclaw.ai/channels/telegram
• 既定の DM ポリシーは pairing が多く、初回の私的チャットでは Gateway 側で `openclaw pairing approve telegram <CODE>` が必要な場合あり
• WhatsApp / Discord など他チャネルにも対応(公式 Channels ドキュメント参照) - 4
ステップ4: 初回対話の完了
起動後、Telegram で次のように送信:
```
覚えておいて。私はテクノロジーニュースが好きで、作業言語は日本語です。
```
• `MEMORY.md` を見て記憶が保存されたか確認
• 「OpenClaw のニュースを探して」と頼んで自律実行を体験
FAQ
OpenClaw と ChatGPT は何が違うのですか?
OpenClaw は有料ですか?
• Claude API:トークン課金
• OpenAI API:トークン課金
マルチモデルルーティングを使えば費用を 40% 削減できます。単純なタスクは Haiku/GPT-3.5、複雑なタスクだけ Sonnet/GPT-4 を使います。
OpenClaw はどの大規模言語モデルに対応していますか?
OpenClaw のデプロイにはどんなスペックが必要ですか?
• 1 コア CPU
• 512MB メモリ
• 安定したネットワーク(API アクセス用)
推奨構成:
• 2 コア CPU
• 1GB メモリ
• VPS やクラウドサーバーで 24 時間稼働
ローカルでの開発・テストならノート PC で十分です。
OpenClaw のデータは安全ですか?
OpenClaw に自分の好みを覚えさせるには?
9分で読めます · 公開日: 2026年3月18日 · 更新日: 2026年6月15日
OpenClaw 導入と実践
検索からこのページに来た場合は、前後の記事もあわせて読むと同じテーマの理解がかなり早く深まります。
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